《ブラジル》バイア州の水害死者14人に=政府の防災予算43%も減少

雨の後に土砂崩れが起きた場所の一つ(Defesa Civil)

 11月29日以降、バイア州南部やミナス州北部で大雨の被害が広がっており、バイア州では死傷者を含む被災者が19日現在で29万9360人に達した。
 20日付G1サイトなどによると、19日現在の同州での死者は14人、負傷者は276人で、浸水などで親戚宅や知人宅に身を寄せている人は1万5483人、家屋倒壊などで避難所にいる人は4453人だった。一時的な避難が必要な人は17日の2万1564人より減ったが、雨はまだ続いており、被災者が増える可能性がある。
 同州政府は13日、雨が強まって水害が急速に拡大した地域51市に非常事態を宣言。被害が大きいのはジュクルスー、イタジミリン、ポルト・セグーロ、テイシェイラ・デ・フレイタスなどだ。イタマラジューなどでは今週も雨が予想されている。

 被災地では国家防災局や市役所などが被災家屋や危険区域の評価や支援を進めており、消防が基礎食料品セットを配布している地域もある。20日からは30人以上の海軍兵が、サルバドール市内で集めた支援物資を州南部の家族に配布する作業も始まった。
 春から夏は水害が出やすいが、まだ、水害が本格化したといえない。だが、今年は防災費が大幅に削減されており、今後の被害が甚大化した場合の対応を懸念する声がある。今年は防災費に9億1860万レアルが割かれたが、この額は昨年の16億3千万レアルを43%下回り、16年以来の少額だからだ。資金が抑制されると被災後の対策が主流となり、投資が削られる傾向がある。

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