新年明けましておめでとうございます。2021年12月に着任しました駐ブラジル日本国大使の林禎二です。この度は、「ブラジル日報」の創刊、そしてこの「新年創刊特別号」の発行をお祝い申し上げます。今後「ブラジル日報」が日系社会の皆様に末永く愛され、ブラジルにおける、日本文化の継承、日本語の普及、日本関連情報の発信といった面での重要な役割を果たされていくことを期待しています。
私は、前職は外務省の中南米局長を務め、ブラジルを含む中南米諸国との外交に携わっていました。ブラジルでの勤務は初めてですが、仕事ではこれまで何度もブラジルを訪問し、友人も多くいます。今回こうして大使として、ブラジルで勤務できることを大変光栄に、そして嬉しく思います。
私が中南米局長であったこの1年余りの間も、両国の関係は着実に進展してきました。例えば、2021年1月の茂木外務大臣(当時)のブラジル訪問、2020年12月の防衛協力の覚書の締結、また、二国間の協力のみならず、気候変動に関する日伯非公式会合の開催、日米伯協議の立ち上げ等、国際場裏でもブラジルと緊密に連携してきています。今度は駐ブラジル大使として、こうした関係を一層発展させていきたいと考えています。
その中で、ブラジルでの約200万人の世界最大の日系社会、及び約21万人の在日ブラジル人コミュニティという特別な人的絆は、両国の友好関係の重要な礎です。
日本人移住者及び日系人の皆様は、ブラジルへの移住後に大変な苦労を味わいましたが、ブラジル社会の信頼を勝ち得て、ブラジルの発展に大きく寄与してきました。そのことに敬意を表したいと思います。そして、日系社会は、日本の文化や価値をブラジル国内で広めることで、ブラジル人に日本のことをより身近に感じさせる、両国間の友好の「架け橋」であると思います。ブラジルの日系社会の一層の発展のため、日系社会の活動に対して最大限の協力を行ってまいります。
最近では、若手の日系人による日系社会の活動も活発に行われており、頼もしく思います。日系人としての価値やネットワークが後世に引き継がれていくためには、日系人の若い世代の活躍が鍵です。そうした若い世代の取組も支援したいと思います。
2022年は、ブラジルの独立200周年であり、また、大統領選挙も行われる、ブラジルにとって重要な節目の年となります。こうした重要な機会も踏まえながら、日ブラジル関係の一層の強化に向けて、日系社会の皆様との協力、交流も一層推進していきたいと思っています。ご支援、ご協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。