あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては、気持ちも新たに新年を迎えられたことと存じます。
このたびは、「ブラジル日報」創刊号の発刊、誠におめでとうございます。
昨年まで「ニッケイ新聞」がブラジルにおける唯一の邦字紙として、ブラジル日系社会には欠かせない媒体であり、また日本においてもブラジル現地事情を知るための貴重で存在価値の高い情報源として活躍されてきました。
世界的なコロナ禍でたいへんなご苦労の中、ブラジル邦字紙の灯を絶やさないために、新たにNPO法人ブラジル日報協会が立ち上げられ、このたびの創刊号の発刊に至ったご努力に敬意を表するとともに、心より感謝申し上げます。今後は充実した体制のもと、さらにパワーアップしてご発展されることを期待しております。
当協会は1926年に神戸の財界人と兵庫県・神戸市が一体となって創立され、昨年5月に95周年を迎えました。長きにわたる歴史の重みを実感するとともに、これまでご支援をいただいた関係各位に心より感謝申し上げる次第です。
創立2年後の1928年、当協会の働きかけで神戸に「国立移民収容所」(当時)が完成しました。その後94年間、この建物は戦災や震災をしのぎながら、今も「海外移住と文化の交流センター」として、当時の面影のまま現存する日本国内唯一の移住関連施設です。
当協会は、その中に開設された「移住ミュージアム」の運営・管理を神戸市から指定管理で受託しており、多くの方々にブラジル移民の歴史を知っていただく努力を重ねています。最近では大学・高校・中学を中心に、団体での来館者も増えつつあります。
現在、ブラジルには世界最大で約200万人もの日系社会が築かれていますが、そのルーツは1908年の「笠戸丸」以降、ブラジル移住者25万人を送り出した神戸にあります。
その神戸において、当協会はこれまでも移住者の支援や文化交流、および移住者顕彰事業に取り組んできました。この約2年間はコロナ禍で多くの活動が制約を受けましたが、可能な範囲で最大限の活動を継続しています。
今後も創立100周年に向けて、これまでの歴史を大切に振り返りながら、関係各位とともに日本とブラジルの交流を一層深め、活動の輪を広げていく所存ですので、今後とも一層のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
末筆ではございますが、皆様方のご安全とご健康を心よりお祈り申し上げます。