ブラジル日報読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。旧年中はブラジル日本文化福祉協会に対し、温かいご理解とご協力を賜りましたこと、心よりお礼申し上げます。
この度、ブラジル独立200周年の節目の年に「ブラジル日報協会」が創設され、このように新年創刊特別号の発行に至りましたこと、心よりお祝い申し上げます。ブラジル日本移民114年という歴史を考えるとき、言葉はもちろん、文化、習慣、ありとあらゆるものが異なったブラジルに暮らす日本移民にとって、故郷の言語によって発せられる情報は大変貴重であったのと同時に、人々の心の拠り所であったことは言うまでもございません。
現在、時代の流れを受け、ブラジルにおいての邦字新聞社は貴社1社となりましたが、まだまだ日本語による情報を必要としている人は数多く存在しています。また、さらに今後は、ブラジル日系社会の様子を日本国へ発信するという使命も加わり、日伯交流の大きな責任までも担われる貴社の今後のご活躍を心より期待申し上げます。
さて、世界中を震撼させたCovid-19もワクチン接種が進んだことが功を奏してか、昨年の半ば頃からは感染者減少というニュースを耳にし始めました。様々な機関が少しずつ活動再開を試みる中、当会においてはまず初めに、密にならない空間としては最適な文協国士舘公園において、ドライブスルー形式の「花見」を昨年7月に開催致しました。このイベントを皮切りに感染対策を十分に施した上で、現在徐々に対面での活動を再開させております。
また一昨年に引き続き「文協統合フォーラム(FIB)」「農業関連交流委員会(文協RURAL)」などの活動に加え、世界に広がる日系人を招待しての「国際日系デー」をオンラインにて開催、「バーチャルブラジル日本移民史料館」をオープンさせるなど、コロナ禍に培ったオンライン技術を生かした活動も数多く行って参りました。
なによりこの利点を生かし、昨年は同じ厳しい状況下に置かれておりますブラジル全土の各日系団体と、それぞれが抱えている非常時における問題対策について話し合う機会を積極的に設けました。これにより、アマゾナス地方における同ウイルス感染症に対する医療崩壊が起こった際に、いち早く支援を募るオンラインキャンペーン「Todos Juntos com Amazonas」の開催に至るなど、確実に成果が出始めております。
このように当会が危機的状況を何とか乗り越え、迎えた「新しい日常」において、無事活動を再開できましたのも、変わらずにご支援、ご協力下さいました皆様方のおかげでありますことを、この場をお借り致しまして改めて感謝申し上げます。
ただ、また新種のコロナウイルス株の出現という報道もなされ、一喜一憂の日々ではございますが、今年も引き続き、ブラジル全土の日系団体はもちろん、日本をはじめとする各国の日系団体との連携を強化し、対面とバーチャルの両面を生かした活動の継続と飛躍を成していきたいと考えております。
最後になりましたが、ブラジル日報読者のみなさまのご健勝と益々のご発展を心よりお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。