オミクロン株の出現でコロナ禍の先行き不透明感が増す中、マスク着用や手洗いなどの防疫対策で感染が抑えられていたインフルエンザの感染も急増。二つのウイルスに同時感染した「フルロナ」と呼ばれる患者も出ていると3、4日付現地紙、サイトが報じた。
ブラジルでのオミクロン株感染者は日毎に増えており、1年前の年末年始に感染が急拡大して第2波に突入した辛い過去を思い出させる状態になっている。
12月10日に起きた保健省関連サイトへのハッキング後、感染者や死者の統計は正確とは言えない状況が続いている上、発表データも詳細が漏れ、実態把握は困難だ。だが、現場からは、年末年始の移動に備えて検査を受ける人が増え、感染者の割合も増すなど、新変異株の感染拡大を示す声が出ている。
リオ市保健局が3日に同市でもオミクロン株による市中感染が起きていると発表したのもその一例で、国外から帰国後に同株感染が判明したのは2人のみだが、同株感染が疑われる感染者は180人以上いるという。
また、PCR検査や簡易検査などを受けた人に占める感染者の割合も0・7%、5・5%、9・6%と急増中で、感染者増は明確だ。
同市では、年末年始を市外で過ごした人や風邪の様な症状の出ている人は新型コロナへの感染の有無も調べるよう要請している。
同市ではオーストラリアで見つかったH3N2型インフルエンザ感染者が増えているが、風邪の症状がある患者が新型コロナの検査も受ける必要があるのは、3、4日に各1人、フルロナ患者が確認された上、疑いがある例も17件あるからだ。3日に確認された16歳の少年は新型コロナとインフルエンザの予防接種も受けていたが、両方に感染。幸い、軽症だ。
H3N2型インフルエンザの感染者は他州でも増えており、市中感染やフルロナも既に一般化しているとの声さえある。フルロナの一般化は、セアラ州では1歳の赤ちゃん2人と52歳の男性がフルロナと確認され、既に回復と報じられている事でも明らかだ。
クルーズ船での新型コロナ感染者累計が800人を超えるなど、オミクロン株の感染力は強い上、インフルエンザも重なれば、医療従事者や病床数の不足への懸念も高まる。