中央銀行職員が次々と役職を返上し、18日にストを行うことを宣言。金融業界に激震を走らせている。5日付現地紙が報じている。
中央銀行職員全国労組(Sinal)は3日、職員がストを行うと発表。これに伴い、役職を返上し、勤務につかない管理職や補佐役の職員が続出している。その数は約1千人に達すると言われており、管理職不在で業務が麻痺する可能性も出てきている。
Sinal側は、これらの管理職に加え、計1200人ほどの職員がストに参加すると見ている。中銀の現在の職員数は3478人なので、予測が正しければ約3分の2が参加することになる。
中銀職員がストも辞さない構えを見せているのは、12月に承認された22年度の連邦政府予算に対する不満だ。特に、ボルソナロ大統領がかねてから強く肩入れをしている連邦警察、連邦道路警察、連邦刑務所の職員たちの給与調整に17億レアルの予算が割かれたことに強い不満を抱いている。
中銀職員の給与調整(昇給)はここ3年間行われていない上、昨年は10%超のインフレが起こっており、昇給が行われないと実質的な減給となる。
コロナウイルスのパンデミックが起きて以来、中銀はオープン・バンキングの仕組みづくりや、PIXの実用化など世界的に見ても数少ない取り組みを実現しているが、職員たちはそうした面が評価されないことにも強い不満を抱いているという。
仮に中銀職員がストを敢行した場合、市場の情報や技術、顧客への対応など、あらゆる点で問題が生じることが予想されている。
22年の連邦政府予算に不満を示しているのは中銀職員だけではない。12月には国税庁職員の職務返上が起きており、同月29日には30以上の部門の連邦公務員が、1月は1日~2日間のスト、2月には無期限のゼネストの実施を示唆していた。18日のストには全部門の連邦公務員が参加する予定だ。