《ブラジル》小児用コロナワクチンの日程発表=早ければ14日にも接種開始=診断書求めず8週間間隔で

5日のケイロガ保健相(Valter Campanato/Agencia Brasil)

 保健省は5日、5〜11歳の子供を対象としたコロナワクチンの接種概要を発表した。今月中に370万回分のワクチンが届く予定で、今月後半には各自治体での接種もはじまるが、大統領や保健省が接種時に求めようとした「医師の処方箋提出」は不要とした。5、6日付現地紙、サイトが報じている。
 5日の保健省の説明によると、ファイザー製薬の小児用ワクチンは第1陣が13日に到着し、14~15日に全国に配布される段取りだという。
 ファイザーとの契約では、13日以降も、20、27日に第2、第3陣が届くことになっている。各回124万8千回分ずつで、計374万4千回分が今月中に届く予定だ。
 接種日程などを決めるのは州や市だが、保健省は「基礎的疾患や恒久的な障害を持つ子供」への接種を優先することを求めている。
 また、ボルソナロ大統領や保健省が望んでいた「処方箋の提出」は不要となった。この件は、国家衛生監督庁(ANVISA)が12月16日にファイザー社製ワクチンの5〜11歳児への適用を認めた後に大統領が主張しはじめたが、当時から評判が悪く、4日に開かれた医療の専門家たちによる公開協議でも、「接種の自由を損ねる危険性がある」「貧困家庭の子供への接種を遅らせる」などとして反対されていた。
 保健省は、医師の助言を求めるよう勧めているが、処方箋提出を義務付けることは避けた。また、親の同意書も、親や責任者が同伴できない場合にのみ必要としている。
 1回目と2回目の接種の間隔は8週間開けることを義務付けた。ファイザー・ワクチンは大人なら3週間で2度目の接種が可能だが、副作用などを配慮し、より安全な8週間が選ばれた。

 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では5〜11歳児向けのワクチン接種が800万回以上行われたが、副反応の報告は少数で、4万2504例を解析した結果、「2度目の接種後の発熱」も13%程度だった。重度の副作用が出た例はきわめて稀で、接種後に死亡した2人も基礎的疾患を持っていたという。
 1回あたりの接種量(有効成分)は、12歳以上への30マイクログラムに対し、3分の1の10マイログラムで、溶液の量、濃度なども異なる。
 これで、ANVISAによるワクチン承認から約3週間も経ってから連邦政府の方針が決まったことになる。
 保健省は2千万回分以上のワクチンを注文済みで、上半期に届く予定だというが、全国の5~11歳児は2050万人で、初回接種分に過ぎない。
 また、ケイロガ保健相は聖市ブタンタン研究所のコロナワクチン「コロナバック」の5〜11歳児への使用について訊かれ、「ANVISAで未登録」として当面は見合わせる見解を示した。ブタンタン研究所は12月にコロナバックの使用許可申請を行ったが、ANVISAは詳細な資料の提出を求めている。州知事たちは子供への接種を加速するため、コロナバックの承認を急ぐようAMVISAに働きかけている。

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