《ブラジル》各地で感染者、入院者増加=病床増加が急務の自治体も=サンパウロ市も道のカーニバル中止

オミクロン株が新規感染者の50%を超えた事を示すグラフ(5日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】新型コロナの新変異株「オミクロン」は感染力が強く、ブラジルでも新規感染者の50%を超える事態が起きている。また、H3N2型インフルエンザの流行と重なり、病床不足も起き始めたと5~6日付現地紙、サイトが報じた。
 ハッキングで保健省のサイトやシステムが機能しなくなったせいもあり、現在報告されている数字は新型コロナの感染実態を表しているとは言い難いが、5日現在の感染者は2235万1104人、7日間平均は1万2467人に増えた。
 感染者の7日間平均が1万人を超えたのは10月15日の1万670人以来で、12月23日の3090人以降、急増中だ。
 感染者急増は保健省のシステムの問題と、年末年始の旅行や集まりの前の検査増、人出が増えて社会的距離が保てないこと、年末年始の集まりでの3密発生、ワクチン接種でできた心の隙、オミクロン株出現などによるものだ。
 リオ市の保健局は6日、PCR検査などでの陽性者の割合が386%増加と発表。1日で100万人超の感染者が出た米国などに比べるとブラジルでの感染者増は穏やかだが、油断すれば欧米諸国の轍を踏みかねない。

 ただ、ワクチン接種や補強接種進展のおかげで5日現在の死者は61万9513人、7日間平均は99人で、増えていない。
 だが、入院者は急増している。H3N2型を中心とするインフルエンザ患者も急増中で、保健所や病院の対応数が急増中だ。
 サンパウロ州やリオ州、ミナス州、ペルナンブコ州、バイア州などでは新型コロナとインフルエンザの感染拡大で入院者数が増えており、一部では医療体制逼迫や病床不足が起きている。
 一例はペルナンブコ州で、病床待ちの重症呼吸器系疾患患者が3日現在で265人出ている。ミナス州ベロ・オリゾンテでも4日に公立機関のコロナ患者用病床が満杯となり、12人が病床待ちだ。
 新型コロナとインフルエンザの感染者増加は医療従事者や航空関係者の間でも例外ではなく、人手不足や感染拡大防止のため、集団手術の中止や航空便の運航停止といった事態も生じている。
 また、5日にはレシフェ市、6日にはサンパウロ市が道のカーニバル中止を決定。この時点で道のカーニバル中止の州都は13となった。

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