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Rocha desaba sobre banhistas em #EscarpasdoLago (MG)
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8日、ミナス・ジェライス州カピトーリオ市の有名な観光地キャニオン・デ・フルナス渓谷で、垂直にそそり立つ壁面の一部が突然、巨大な柱のように倒壊した。岩石が飛び散ったほか、巨石が大波を起こしてボート4隻を直撃、10人が死亡した。数日来の大雨で岩盤が緩み、侵食部分が崩れたのではと8~10日付現地紙、サイトが報じている。同州では9日にも洪水被害が起こり、悲劇が続いている。
カピトーリオ市は州都ベロ・オリゾンテから西南方向に約300キロほど離れており、同渓谷はそそり立つ絶壁に挟まれた景勝地。細長い湖水が有名で、水遊びやダイビングを始め、遊覧ボートによる回遊が名物の観光地だ。同渓谷での事故は8日12時30分頃、起こった。
この渓谷は水面から崖の上まで50メートルほどの落差がある。数日来の雨によって複数ある滝の水量も増え、崖の一部が崩れ始めたのを見つけた観光客の一部が「危ない」と叫んだが、滝の音にかき消されて聞こえず、5階建てビルに匹敵するような巨大な岩の柱が湖面に倒れた。
岩の塊は、観光ツアー会社が運航していた遊覧ボート1隻を直撃。近くにいたボート3隻も岩の破片や倒壊時の大波の直撃を受けた。
事故当時、同渓谷の周辺には約70人がいた。崖が崩れ始めたのに気づいた人たちが崖下のボートに警告を発すると共に、崖崩落の瞬間を録画し拡散。倒れた岩の塊の大きさと、ボートに落ちた瞬間、人が跳ね飛ばされたりする様子も収まったショッキングな映像は、たちまち国内外に報じられることとなった。
落下の衝撃で観光客たちは弾き飛ばされたり、水面下に押しやられたりし、当初「20人が行方不明」との報道も行われたが、駆けつけた消防隊により、救出が進み、32人の負傷者が近隣の病院に運ばれた。
死者は10人で、8日に7人の遺体が回収され、9日には行方不明だった3人の死亡も確認された。
亡くなった人は14~67歳で、10人の内5人は同じ家族で、1人はボートの運転手(40)だった。10日昼までに9人の身元が確認されたが、1人の身元はまだ確認中だ。
ミナス・ジェライス州の消防隊広報官のペドロ・アイハラ氏は、崩壊の原因を「侵食と雨が原因だろう」との声明を発表している。それによると、侵食はすでに進んでおり、そこに雨が入り込んだことで一気に崩れたという。崩壊の危険性は10年ほど前から指摘されていた。同州は12月に2度の豪雨を見、事故直前の数日前も雨が降り続いていた。
ボルソナロ大統領は事故の1時間ほど後、ブラジリアで国家総弁護庁(AGU)のブルーノ・ビアンコ長官の誕生会に参加後に記者団に囲まれていた時に側近から映像を見せられて事故を知った。大統領は「これは起こったばかりなのか」「これでは人が死ぬな」と驚き、海軍の派遣を命じた。
また、ロドリゴ・パシェコ上院議長をはじめとする同州地盤の政治家が犠牲者への追悼声明を発表。ロメウ・ゼマ知事も州民に3日間の服喪を宣言した。
だが、同州での悲劇はこれだけでは終わらなかった。9日は豪雨が同州を襲い、川の氾濫や、洪水、倒木などの被害が相次いでいるほか、カリオカ水力発電所のダムに決壊の恐れが生じた。
これにより、近隣の3市(パラー・デ・ミナス、ピタンギ、オンサ・デ・ピタンギ)の住民に避難勧告が出された。
今回の豪雨により、同州内で非常事態を宣言した市は138市に増えた。
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8日に起こったミナス・ジェライス州カピトーリオ市での崖崩壊事故は、その瞬間を収めた「衝撃映像」と共に、日本をはじめとして世界的に報道された。同地は観光地として有名で、ああした事故が起こるとは、市としてもまったく想定していなかった。倒壊の瞬間を録画した人はかなり偶然の賜物で、携帯電話が普及した今だから撮影されたもの。とはいえ、その瞬間を現場で目撃した人たちのショックの生々しさを想像すると、つらくなるのも確かだ。あの事故が起きた後では、渓谷観光にも恐怖感が生まれるだろう。ともあれ、崖の侵食の具合などの確認が急がれるところだ。