パンデミックから2年遅れて、連邦政府が先住民向けのコロナ対策委員会を設置した。11日付伯字サイトが報じている。
同委員会の設置は、パンデミックから数カ月後の2020年7月に、最高裁のルイス・ロベルト・バローゾ判事が連邦政府に住民向けのコロナ対策を行うことを命じたことを受けたものだ。
この命令は、20年7月7日に、ボルソナロ大統領がコロナ対策法案の中の「連邦政府は先住民居住区に対して、水や病院のベッドを供給する」という項目に拒否権を行使したことに野党が反発し、最高裁に直訴した結果、出された。
バローゾ判事は「環境浄化」「ウイルス流入抑制」をはじめとする5項目の実施を連邦政府に命じており、その中に「委員会の設置」も含まれていた。
連邦政府はその命令に応え、3度にわたり先住民への対策案をバローゾ判事に提出してきたが、そのたびに却下されていた。
だが10日、連邦政府は「先住民のコロナ対策のための委員会を設置する」ための大統領令を作成し、11日付の連邦政府官報で正式に発表した。
ブラジル先住民連合(Apib)によると、先住民居住区では2020年だけで約4万3千人が新型コロナに感染し、約900人が命を落としている。
また、ワクチン接種に関する虚報(フェイクニュース)などの影響で、ワクチン接種を受けた先住民は半数にも達していないとも言われている。