1~6日のサンパウロ市の新型コロナ感染者は1万163人で、オミクロン株感染者の割合が日増しに増えている事が明らかになった。
11日付現地サイトによると、サンパウロ市では1~6日に新型コロナへの感染が判明した人が1万163人いた。この数は同期間中のサンパウロ州での感染者累計の8374人を上回り、専門家は差が生じた理由説明を求めている。
一部の専門家は、昨年12月10日に起きたハッキングによる保健省の登録システム麻痺の影響がまだ残っている事が原因と見ているが、いずれにせよ、コロナ感染者や重症急性呼吸器症候群(SARS)の患者が急増傾向にある事は確かだ。
なお、同日付現地サイトは、サンパウロ市ブタンタン研究所が同市の新規感染者のサンプル105件を解析した結果、80・95%にあたる85件がオミクロン株感染で、20件(19・4%)はデルタ株感染だった事も報じた。
同市では新規感染者に占めるオミクロン株感染者の割合が急増中で、最初の感染者確認から3週間で過半数を占めるに至り、今回は80%を超えた。
オミクロン株は感染から発症までが3日前後と短い上、軽症者や無症状者が多いため、感染を自覚していない人から感染する例が増える。同株でも発症前に感染を広げる可能性があるため、サンパウロ市保健局はさらに、検査に力を入れる方針だ。
オミクロン株は重症化し難いという人もいるが、サンパウロ州の入院者は2週間で倍増、集中治療室の患者は7日間で70%増えた。だが、州保健局は11日現在の病床使用率は一般病床39・8%、集中治療室37・3%で、ゆとりありと見ている。
なお、入院者増やサンパウロ大都市圏ABC地区からの要請もあり、サンパウロ州政府は12日、大規模イベント開催時の防疫基準強化を発表した。
規制強化の対象は人混みが生じやすい音楽やスポーツ関連の大規模イベントやフェスタで、入場者数を収容人数の70%とし、接種証明の提示やマスク着用を義務付ける。手洗い・消毒も必須だ。
ただし、今回の規制は勧告扱いで、適用や監視は各市に委ねられる。また、経済活動を圧迫しないよう、商業やサービス業、製造業、農業などは規制強化の対象から外した。
新型コロナの防疫対策には、H3N2ダーウィン型を含むインフルエンザの感染抑制効果も期待されている。