《ブラジル》南部と中西部に干ばつや熱波=農業被害は453億レアル

干ばつで被害を受けた大豆の畑(DIRCEU SEGATTO/DIVULGAÇÃO)

 【既報関連】ミナス州やゴイアス州では何百もの市が水害で苦しんでいる一方で、リオ・グランデ・ド・スル、パラナ、サンタカタリーナの南部3州と中西部のマット・グロッソ・ド・スル州では干ばつや熱波で453億レアルに上る農業被害が出ていると13日付現地サイトが報じた。
 南米大陸中央部での熱波はブエノスアイレス市で大停電を引き起こしたが、その影響はブラジルにも及び始めた。
 リオ・グランデ・ド・スル州ウルグアイアナで11日に38・2度、12日にはバジェでも36度を記録したのは一例で、週末にはサンタカタリーナでも最高気温が40度前後に達する見込みだ。
 昨年は中西部から南東部、南部の一部で少雨、干ばつが発生したが、現在の干ばつは、南部3州とマット・グロッソ・ド・スル州で起きている。

乾ききった牧場と干上がった池(DIRCEU SEGATTO/DIVULGAÇÃO)

 干ばつの被害は、ブラジルの農産物輸出の柱でもある大豆とトウモロコシ中心に出ており、リオ・グランデ・ド・スル州の農業協同組合連合会によると、被害額は197億レアルに上るという。
 また、パラナ州での被害額は225億レアル、サンタカタリーナ州での被害額は15億レアルと報告されている。マット・グロッソ・ド・スル州でも、大豆だけで16億レアルの被害が出ている。
 ただ、これらの被害額は現状で算出したもので、今後の状況いかんで被害額がさらに膨らむ可能性がある。
 現在の干ばつはリオ・グランデ・ド・スル州で200以上、マット・グロッソ・ド・スル州でも79市で非常事態宣言を出すほど厳しい。現状を重く見たテレーザ・クリスチーナ農相は、12日にリオ・グランデ・ド・スル州サントアンジェロなどを訪問した。
 現在までに算出された被害額は、今回の熱波の影響などで拡大する可能性がある。また、専門家の間では農産物の減収がインフレ圧力となる事を懸念する声も強まっている。

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