「会長になって初のイベント開催なので不安はありましたが、皆が助けてくれたおかげで無事開催できて感謝!」――岩手県人会の多田マウロ会長(二世・57歳)は笑顔で胸中を語った。
岩手県人会は昨年12月11日、サンパウロ市トマス・ゴンサガ街にある同県人会館にて、同会としてコロナ禍中初のイベントとなる「特製つきたて餅販売会」を開催した。運営には県人会会員や青年部とその家族、友人ら約30人がボランティア協力した。
販売会では白餅パック(500g入り)を250人前用意。事前予約開始から2週間で売り切れた。白餅には、レジストロ市で収穫された新米のもち米を使用。当地の米は陸稲で作ることが多いが、レジストロ産は日本と同じ水田式で作ることから「馴染み深い風味でより美味しい」と定評がある。
同県人会はコロナ禍でのイベント開催は行ってこなかったが、自粛令の大幅緩和により開催を決定。例年であれば来場者も餅つき体験ができたが、コロナ感染防止の観点から、販売のみの形式となった。
同会では昨年1月に千田曠曉前会長(岩手県、80歳)から多田会長へ交代。販売会は多田さんが新会長として初企画したイベントとなった。
多田会長は「今回は本当にタイミングがよかった。ボランティア協力者も集まってくれ、美味しい新米も手に入れることができた。2021年は1回しかイベントをしていないが、来年は増やしていきたい」と意気込みを語った。
千田前会長は「無事に開催できてよかった。やってみたら経験になるし、皆との団結が生まれる。新会長にはこれからも県人会を先導していってほしい」と期待を寄せた。
当日、孫と一緒にブラガンサ・パウリスタ市から参加した同県人の及川君雄さん(84歳)は、「コロナ禍で財政難になるところは多いが、こうやって対策を施して開催するのは大切。これからも頑張って会を盛り上げてほしい」と応援した。