街角ちょっと見=豪快ピラニア丸焼きに挑戦

市場に売られていたピラニア
市場に売られていたピラニア

 ある休日、サンパウロ市アクリマソン地区で毎週土曜日に行われているフェイラで、珍しく肉食淡水魚ピラニアが売っていた。サンパウロ市生活は計3年になるが、フェイラでピラニアが並んでいるところを見るのは個人的には初めて。さらに1キロ20レアル前後とかなり安かったので、物珍しさから1キロ購入した。
 「さて、どう調理したらいいんだろうか…」。半ば勢いで購入したことを後悔しながら家に持ち帰り、頭と内臓を取り除きしばし観察。腹部には卵があり、その近辺に浮き袋が。鱗は細かく、光を当てると少しギラギラと黄金色にまばゆく光る。歯はさすが肉食というだけあり、肉を食いちぎるような鋭さだ。
 とりあえず3枚におろしてみようと思い、愛用する三徳包丁を使って刃先を入れた。だが、腹骨が爪楊枝ぐらいの太さがあり、固かったため3枚おろしは断念。
 こうなれば「男の手料理」らしく、丸焼きにするしかない。熱々に熱したフライパンに多めの油を注ぎ、熱々に熱したところへ、ドーーンと豪快にピラニアを投入。油が大きく撥ね、後の掃除を思い少し後悔…。揚げ焼きにすること数分。十分火が通ったところで、フライパンから上げ、塩を振る。ピラニアの丸焼きが完成した。
 意を決して食べたところ、白身だが鯛よりも薄っすら脂が乗っていてかなり上手い! さらに卵もプチプチ感がこれまた美味しく、浮き袋もまったりした食感でとても上手い。多少の泥臭さはあったが焼く前にしっかり洗えばこれも消えるだろう。
 それから数日後、友人との会話の中で、昨年9月に淡水魚や甲殻類などが持つ毒素により骨格筋細胞が壊死と融解が起こり「黒い尿」がでる奇病が、アマゾナス州やバイア州で再流行して噂を呼び、市場での売れ行きが悪くなっているという話を聞かされた。
 「だから値段が安かったのか…」と感じて鳥肌が立った。だが、あれから一カ月経つ今でも特に問題なく黒い尿は出ない。
 皆さんも市場でピラニアを見つけたら、豪快な丸焼きに挑戦してみては?(淀)

関連記事:《ブラジル》アマゾン有毒魚の奇病「黒い尿」で死者=50人以上が横紋筋融解症に=毒素不明、8月から流行状態

最新記事