ミナス・ジェライス州工業連盟(Fiemg)が14日、今年に入ってからの水害による被害額は11億レアルとの試算結果を発表したと同日付ヴァロール紙電子版などが報じた。この金額は、同州の国内総生産(GDP)の0・2%に相当する。
Fiemg会長のフラヴィオ・ロスコエ氏は、現状のペースで雨が続けば、被害額は1月だけで30億レアルに達しうるが、鉄道などのインフラの回復が早ければ被害額も抑えられるはずだという。
州都周辺で最も被害が出ている高速道は、ノヴァ・リマで国道356号線と交わる国道40号線と、ベチン市とサンジョアキン・デ・ビカス市の市境にあるパラオペバ川に橋が架かる国道381号線(フェルナン・ジアス道)だ。381号線は、ヴァレ・ド・アッソのイパチンガ付近で起きた道路陥没後、エスピリトサント州ヴィトリア方面行き車線が通行禁止となっている。
同州とヴィトリア市を結ぶ鉄道路線を管理しているVale社によると、同路線では貨物用と乗客用の運行が全面的に止まっている。セントロ・アトランチカと呼ばれる路線(VLIが管理)も、サントアントニオ・ド・モンテで起きたがけ崩れのため、全面運休となっている。MRSも州内の鉄道運行は全面停止中と語っている。
水害被害が最も大きいのは、道路や鉄道が止まり、製品や原材料の輸送・供給が止まった工業だ。現在はまだ在庫があり、消費者への製品供給は続いていないが、現在のような状況が続けば、生産ラインの維持が困難になり、消費者が必要とする品物を届けられない状態も生じうる。
同州では昨年の10月1日~1月13日の3カ月半で25人が死亡。家屋倒壊などで避難所暮らしが必要な人は4047人、浸水被害などで一時的な退避が必要な人は2万6492人いる。
また、州内853市中374市が非常事態宣言を出しており、被災地域にある4万7660軒の工場は直接的な被害を受けている。これによる工業部門の被害額は1日あたり4500万レアルだ。
Fiemgは専門家50人を宛て、連邦政府からの資金援助を受けるために必要な、被災地のインフラ回復プロジェクトの立案にも協力している。
ロスコエ会長は、「人や物の動きの回復が早いほど、経済被害は小さくて済む。これからは雨量が減り、種々の活動も再開されるはずだが、手をこまねいて待っているだけでは埒が明かない」と語っている。
なお、ロメウ・ゼマ知事は14日、メディアからの質問に答え、大雨による被害額は4億レアルに上るが、死者数で見た人的被害は例年より少ないとの見解を明らかにした。
同州では引き続く雨のため、鉱業関係の企業が持つ鉱滓ダムなどの決壊リスクへの懸念も高まっている。雨によって危険度レベルが上がれば、避難勧告が出る地域も出てくる。
また、13日に歴史的な邸宅の倒壊も起きたオウロ・プレット市では、新たな土砂崩れが起こる可能性があるとして、80世帯に避難を命じた。