【既報関連】オミクロン株による新型コロナの感染急拡大の中、予防接種による免疫防壁の穴で、感染者増が案じられていた5~11歳児への予防接種が始まったと14日付現地サイトが報じた。
小児用ワクチンの第1陣は13日未明にサンパウロ州ヴィラコッポス空港に到着し、13~14日に各州に配られた。一部では航空機の問題で到着が遅れた州も出たが、5~11歳児への予防接種開始を渇望していた自治体の中には14日から接種を始めるところも出た。
5~11歳児へのワクチン接種は、集団免疫を作る上でも重要な意味を持つ。それは、抗体がなく、他の年齢層より感染しやすい5~11歳児が感染力の強いオミクロン株に感染して重症化する可能性や、子供がウイルスを家庭に持ち込み、既に接種を済ませた家族にも感染を広げる可能性があるからだ。
子供の重症化例や死亡例は他の年齢層より少ないが、高齢者への予防接種が進んだ時、若年層での重症化例や死亡例の割合が高まったのと同様、現在は子供の感染、入院が増えているため、同年齢層への予防接種は各方面から待たれていた。
この事を実証するかのように、サンパウロ州では14日にサンパウロ市のクリニカス病院で、先住民で障害もあるダヴィ・セレンラミウェ君(8)に全国初の小児用ワクチン接種を実施。サンパウロ州でこの日に接種を受けたのは基礎疾患や障害のある優先接種対象者のみで、保健所などでの接種は17日からだ。
14日は、リオ大都市圏のマリカー市でも先住民の子供への接種を開始。15日は基礎疾患や障害を持つ子供への接種が行われる。
その他の自治体でもミナス州のように、土、日返上で接種を行うところがあるが、大半の子供向け接種は17日から本格化する。
ただ、一部の専門家は12月16日の5~11歳児へのファイザー社製ワクチン適用承認後、子供への接種に関するアンケートや公開協議が行われ、実際の接種は約1カ月遅れた上、安全性確認後に承認したワクチンを治験中と偽って不安をもたせるフェイクニュースが流れたりした事による、出足の乱れを懸念している。
なお、保健省は14日、小児用ワクチン第2陣120万回分は、前倒しされて16日に到着すると発表した。