ブラジル日本語センター(CBLJ、日下野良武理事長)は第36回汎米日本語教師合同オンライン研修会の開講式を1月7日に開催した。汎米地域の6カ国から11人が参加し、22日までの2週間研修を受ける。
今回の研修では「『学習者中心』の考え方を学び、現場に即した実践を考えられる」ようになる事が目標。「学習者中心」の理論や実践方法などを講師や他の参加者とグループワークを通じて習得していく。
開講式で日下野理事長は「今年もオンラインでの研修となり残念です。オンラインは便利ですが、目を見て『頑張ろう』と肩を叩き合うのが本来の姿。不便な点もありますが協力しあって頑張りましょう」と挨拶した。
開講式には在サンパウロ総領事館(桑名良輔総領事)の小堤明日香領事、研修を後援するJICAブラジル事務所の江口雅之所長、協力を行う国際交流基金サンパウロ文化センター(JFSP)の洲崎勝(すさき・まさる)所長らが出席した。
小堤領事は「オンラインによって国内外から気軽に参加が出来、通常の研修では得られない成果も出ていると聞いています。今回の研修会でも是非活発な意見交換が為されることを期待します」とオンラインの長所に着目し、激励を送った。
江口JICA所長は「コロナ禍でコミュニケーションの機会が限られ、より良く言葉を伝える方法について考える事が増え、日本語の面白さを再発見する事がありました。是非日本語の素晴らしさや面白さも発見しながら日本語教育を推進して頂ければと思います」と挨拶した。
洲崎JFSP所長は「新年早々に土日も勉強される皆さんを見習わないと」と背筋を正し、研修目標の『学習者中心』について「JFSPはニーズに即した教育法について常に考えていますが、子供は『親に言われて』来ている子が多く、ニーズが無い人もいて難しい問題。日数をかけ皆さんで考える事はとても意義がある」と期待を込めた。
昨年は研修生として参加していた水田ヤーゴさんが企画員として参加。「去年は生徒側でしたが、今回は講師側となりドギマギしています」と緊張の面持ちで挨拶。
オリエンテーションでは研修に参加する日本語教師たちが、持ち時間3分間で所属する日本語学校の紹介を行い、全員の発表後にその内容でクイズを行うなど、オンラインの環境下でも受身にならず教師間の交流を促す工夫が盛り込まれた。