《ブラジル》1日の感染者20万人超える=セルフテストの承認はお預け=子供への接種は更に前進か

保健省からの文書は脆弱で不十分と報じる19日付G1サイトの記事の一部

 国家衛生監督庁(Anvisa)が19日、新型コロナのセルフテスト承認を見送り、保健省に詳細な情報提供を求めた。オミクロン株出現で1日の感染者が20万人を超え、検査の必要性が増す中、保健省は検査キットの大量購入を否定したと19~20日付現地紙、サイトが報じた。
 19日発表の新規感染者は20万4854人で、初の20万人超えを記録。18日に更新されたばかりの7日間平均は、8万3205人から9万9974人に跳ね上がった。
 観察中の感染者も昨年7月10日の100万5741人に迫る94万6562人に急増中で、17日現在の集中治療室使用率は80%超が4州、60~80%が11連邦自治体に増えている。
 死者も増加傾向にあり、19日は338人増えた。7日間平均は212人で、12月3日の203人以来の200人台となった。
 なお、現在の感染者数は無症状者や軽症者が漏れており、薬局などで行う検査での陽性率は50%に届く勢いだ。世界保健機関はパンデミック初期から実態把握と感染拡大抑制のための検査徹底を求めているが、ブラジルは応じきれていない。

 感染力が強いオミクロン株出現で検査の必要性が増す中、Anvisaは19日、陽性だった場合の登録方法に関する情報欠如などで、保健省が求めたセルフテスト承認を見送った。同庁は15日以内に詳細な情報を提出するよう求めた。
 保健所などでの検査の需要は急増中で、ケイロガ保健相は21日に同庁と話し合う。同相は19日、「オミクロン株は感染急増後に急減するから、検査キットを大量購入すれば期限切れになる」とも発言した。同相は年末以降、検査キット配布と検査強化を約束しているが、果たせていない。
 なお、19日は最高裁のリカルド・レワンドウスキー判事が、児童・青年憲章にある衛生監視機関が定めたワクチン接種義務に基づき、不履行者の監視を検察に命じた。接種義務に反する親は懲罰の対象になり得る。
 また、20日はAnvisaが6~17歳児へのコロナバックの使用を認めた。19日にはサンパウロ州が18歳以下の集中治療室入院者が11月と比べて61%増加と報告したが、子供への予防接種が進めば状況も好転するはずだ。

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