《ブラジル》複数のウイルスを同時判定?=インフルエンザと新型コロナ対応

オズワルド・クルス財団(Leonardo Oliveira/Fiocruz)

 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が、一回の検査でA型インフルエンザとB型インフルエンザのウイルス、新型コロナウイルス(Sars-CoV-2)を検出できる新しい検査を開発し、19日に国家衛生監督庁(Anvisa)に登録申請を行ったと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 新しく登録申請が行われた検査は新型コロナウイルスへの感染を確認するPCR検査と同じ方式で行われ、Inf A/Inf B/SC2と呼ばれる。
 同財団研究員でウイルス学者のフェルナンド・モッタ氏によると、呼吸器感染症は膨大な範囲の微生物によって引き起こされる可能性のある病気で、似通った症状を示すため、検査室での診断・解析を行わずに病気の原因物質を特定するのは困難だが、今回開発した検査を使えば、より廉価で、呼吸器ウイルスによって引き起こされる疾患の診断を行う事ができるという。

 また、同時に開発中のSC2・VOC四重検査を使うと、これまでに現れた新型コロナの変異株(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、オミクロン)の識別とスクリーニングができるという。こちらもPCR検査と同じ方式で検査を行う。
 こちらの検査も、近日中にAnvisaに登録申請を行う意向だという。
 Fiocruzは、パンデミックが始まった直後から、国内で使用されているPCR検査の生産の責任を担ってきた。また、昨年8月からは、抗原検査も生産も手掛けている。
 Fiocruzは新型コロナ感染症の診断のための迅速な検査の国内最大の生産者で、統一医療保健システム(SUS)への最大のサプライヤーだ。

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