高齢者向け活動再開目処立たず=オミクロン株対応に苦慮=文協デイサービスは継続中

現在は中止されている援協でのデイサービス活動(写真は2019年当時)
現在は中止されている援協でのデイサービス活動(写真は2019年当時)

 オミクロン株の出現で、ブラジル国内の1日の新規感染者数が20万人を超えた(19日現在)。多くの日系団体は、このコロナ禍で、約2年にわたって活動自粛を余儀なくされてきた。昨年末にはワクチン接種の進展により、コロナ禍収束に目処が立ち「2022年こそは活動再開を」と期していた団体も多かったが、再び活動を控える動きが出ている。

 サンパウロ日伯援護協会(援協、税田パウロ清七会長)では、昨年12月の定例理事会で福祉部から、今年1月からデイサービスを再開する予定であることが報告されていた。
 実際、1月中に一度だけデイサービスを実施したが、オミクロン株出現による新規感染者の増大により、その後は中止となった。今後の動きについて援協は、「デイサービスがいつ再開できるかは現在のところ分からず、今後の様子を見守るしかありません」と話している。
 コロナ禍前まで各種教室を実施していたブラジル日系熟年クラブ連合会(熟ク連、上野美佐男会長)も、高齢者の会員が多いことから、コロナ禍が収束するまですべての活動を中止。会館も休館状態が続いている。
 熟ク連はコロナ禍中の昨年5月からオンラインによる理事会を開き、代表者会議は昨年10月から対面とオンラインを併用して実施してきた。今月28日に行われる定期総会での話し合いを経て、カーニバル明けの3月からは対面による活動を少しずつ再開する予定だったが、オミクロン株による感染拡大を受け、対応に戸惑っている様子だ。
 熟ク連事務局では「今後の活動をどのようにするかは総会での話し合い次第ですが、私たちの会員は高齢者が多いので、誰もがオンラインで参加できるというわけではありません。会員からは『(熟ク連の活動に参加したくて)うずうずしている』との声もありますが、感染を心配する家族から外出を止められると、従わざるを得ないのが現状です。今はコロナだけでなく、インフルエンザの流行も恐いですし」と状況を説明した。
 そうした中で、昨年10月頃から始まったデイサービスを現在も継続しているのがブラジル日本文化福祉協会(文協、石川レナト会長)だ。60歳以上を対象に、体操、ヨガ、サークルダンス、工作などのデイサービス活動を毎週月曜から金曜まで、文協ビル内の展示室(図書館の下の階)で無料で行っている。
 文協デイサービスの活動にコロナ感染を心配する声も聞こえるが、文協では「広い場所で感染対策にも気をつけており、日本語が分かる福祉士もいるので、問題なく活動しています」と話している。

 

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