《ブラジル》新型コロナで新省令発行=隔離期間を10日に短縮

コロナ禍で増えた在宅勤務の様子(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 保健省と労働社会保障省が25日、新型コロナウイルスに感染した労働者の隔離期間を短縮する新省令を発行したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 従来の規定では、新型コロナウイルスへの感染が確認されたり感染が疑われる症状が出た場合と、濃厚接触が判明した場合の隔離期間を2週間としていたが、今回の省令では職場復帰までの隔離期間を10日間に改めた。
 発症や濃厚接触発生から5日目以降に受けたPCR検査や抗原検査で陰性となった場合は、7日間で隔離を解かれ、職場に復帰できる事も記されている。
 新型コロナウイルスへの感染が疑われるケースでも、5日目の時点で24時間以上熱がなく、解熱剤は不要で、呼吸器系の症状も軽減した場合は、7日間の隔離後、職場に復帰できる。
 今回の省令は20年6月の省令を改定したものだ。先の省令では遠隔勤務についても定めているが、今回も、感染者や感染が疑われる人については、雇用主の判断で、他者との接触や密を避けるための方策としての遠隔勤務を採用する事が認められている。

 また、60歳以上の労働者や新型コロナに感染すると重症化するリスクが高い労働者については、雇用主が特別な注意を払う必要がある事や、不要な接触を避けるための方策の一つとして遠隔勤務を認める事ができると記されている。前回の省令では、このような場合は遠隔勤務を優先するよう定めていた。
 企業側には、社会的な距離の確保、石鹸や水、70%のアルコールなどを用意して手指衛生の徹底を図るなどの新型コロナの感染症予防対策を届け出る責任がある。
 企業側には、職場やその周辺での手指衛生のために不可欠な、液体石鹸や水、ペーパータオル、手で触れなくてもゴミが捨てられるゴミ箱、70%のアルコールなどを用意する事も求められる。
 また、職場での社会的な距離確保やマスク着用その他、新型コロナ対策としての環境整備や、感染者や感染が疑われる人、濃厚接触者が出た場合の勤務基準などを常に更新する事も要請されている。
 新型コロナ感染が判明した労働者や感染が疑われる労働者、濃厚接触が疑われる労働者が出た場合は速やかに当該機関に報告し、適切な指導を受ける事なども定められている。

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