何年かに一度、ブラジルからは「天才サッカー少年」が登場し、メディアを賑わせることがある。現在、セレソンや欧州強豪で活躍するネイマールやガブリエル・ジェズス、ヴィニシウス・ジュニオル、ロドリゴなどがそうだ。
それが今、彼らよりも若く、そして圧巻のプレーで国内のサッカーファンを騒然とさせる少年が出てきた。エンドリック(パルメイラス)だ。
ブラジルに住んで十数年。コラム子は先に名前を挙げたかつての天才少年たちが世に出てきた時のことを覚えている。彼らは皆、17〜18歳で台頭してきた。
エンドリックは現在15歳。20歳までの選手が参加できる「サンパウロ・ジュニア選手権」で最優秀選手に選ばれる活躍を見せ、見事チームを優勝に導いた。
この優勝実績だけでも大したものなのだが、ネットに公開されている彼のプレー記録動画が世間の騒ぎ方に拍車を掛けている。
自陣からスーパー・ロングシュートを決め、高速ドリブルでディフェンダーを抜いて角度のないところからシュート。さらにはオーバーヘッド・キックでゴールも決めた。オーバーヘッドに関しては、ゴール左上隅、ジャンプしたキーパーの手の上を巻き込むように綺麗に決めた。
「まるで漫画のキャラクターみたいだな」と動画をコラム子も見て驚いた。
今やエンドリック獲得を目指し、レアル・マドリッドやバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、リバプール、バイエルン・ミュンヘンなど世界の錚々たるクラブチームが動いているという。
ただ、当のエンドリックは「早くパルメイラスとプロ契約したい」と、7月にやってくる16歳での契約のことだけを考えているようだ。
伝え聞くところによると、エンドリックは自身を高めるための練習をストイックに行うタイプで、年上の選手たちからも尊敬されているという。憧れの選手はクリスチアーノ・ロナウドで、その理由は「献血の規定に触れないようタトゥーをしないという話を聞いて感銘を得た」からだというから、かなり真面目な性格なようだ。
国際規定で18歳まではブラジル内のクラブ限定でプレーすることになる。今のうちに地元ブラジルでの勇姿を目に焼き付けておきたいところだ。(陽)