オミクロン株感染が加速する中、一部の州や一部の私立校では既に授業が再開されているが、子供への新型コロナ感染は前例を見ない勢いで拡大し、教育現場が対応に苦慮していると27~28日付現地紙、サイトが報じている。
子供への感染が急増している事を示す一例は、リオ市で確認された子供の感染者数だ。
同市では26日までに9歳以下の子供1万47人の感染を確認。この数は20~21年の5235人の約2倍だ。このままなら1月の累計は倍を超す。
同市では10~19歳でも、2年間の計1万1317人を22%上回る1万3875人の感染者が出ている。
同市での大人も含めた今年の感染者は22万8129人で、20年総計の21万8033人を超えた。21年の29万3334人超えも時間の問題だ。
同市にとっての救いは、感染者の急増ぶりに比べ、死者が増えていないことだ。20年の死者総数は1万8971人で、人口10万人あたりの死亡率は284・8だったのに対し、今年は今のところ135人で、人口10万人あたりの死亡率は2となっている。
サンパウロ市の場合、市立病院の子供用集中治療室(UTI)入院者は年末比で1千%増えており、東部の病院は病床が満杯だ。同市保健局によると、患者の大半は9歳以下で、25床を55床に増やしても1日で埋まったという。
子供のUTI入院者増は他の州都でも同様で、12月は使用率55%だったゴイアニアは26日現在で76%に、フォルタレーザでは45%が64%に上昇。年末は90%だったサルバドールは満杯となっている。
同様の傾向は私立病院でも見られ、小児科病棟では特別な配慮が必要なため、経験者不足でこれ以上のUTI増設は無理と語る病院も出ている。
ブラジル小児科学会のレナト・コフォウリ免疫化部門長は、子供も重症化し得るから、接種可能な年齢の子供には速やかに接種を受けさせるよう勧めている。
教育現場でも子供の感染例や入院例の急増は心配の種で、教職員への接種や補強接種を完了させると共に、防疫対策徹底を再確認。
予防接種を受けていない子供の授業参加は禁止こそしないが、接種は児童・青年憲章でも義務付けているため、コロナ以外の予防接種も含めた接種状況を届けさせ、未接種のものがある子供や親に警告後、一定期間を経ても接種を受けなければ児童相談所に通告する予定の学校や、2月中に接種証明の提出を義務付ける意向の州もある。
児童・青年憲章を理由とする接種義務は最高裁も検察に監視を命じた項目で、遵守しない親は一時的に親権を失う可能性もある。