1月15日に大爆発を起こしたトンガの海底火山から噴出した火山灰が1万3千キロも離れたブラジルにも到着し、サンパウロ市やリオ市でも空の色が赤みを帯びるといった現象を引き起こしたと1月28日付G1サイトなどが報じた。
海底火山の大爆発により、トンガをはじめ、東南アジアや米州など、太平洋を取り巻く国々には最大15メートルに及ぶ津波が到達した。また、周辺では大量の軽石が確認されている。
また、大量に吹き上げられた火山灰やガスは成層圏に到着後、大気の流れに乗ってブラジルにも到着。サンパウロ市やリオ市では1月26、27日に、太陽の光が火山灰などの大量の粒子にあたって屈折し、空の色に赤みがかかるとか、平年以上の暑さを記録するといった影響が出た。
サンパウロ総合大学(USP)天文学・地球物理学・大気科学研究所のマルシア・ヤマゾエ教授によると、空の色の変化は通常の大気汚染によるものではなく、大爆発で生じた火山灰などの大量の粒子を含んだ大気によるものだという。
同教授によると、大量の粒子がブラジルにも達した事は衛星写真でも確認されている。サンパウロ市民が空の色の変化に気がついたのは1月26日朝で、衛星からの映像でも、同日午前4時頃に大量の粒子を含む大気の到着が確認されている。
大爆発の影響は空の色の変化以外のところでも見られた。リオ市で赤みがかった空が見られたのは1月27日の朝だが、この日はバラ・ダ・チジュッカ区で40度など、例年にない高温を記録した。これも、火山の爆発で噴出したガスや粒子が引き起こした現象だといわれている。
ヤマゾエ教授によると、大量の粒子を含んだ大気は対流圏よりもゆっくりと移動しており、少しずつ拡散して薄れていく。この動きがいつまで続くかは不明で、ブラジル上空に戻ってくる可能性もある。
同教授によると、大量の粒子を含んだ大気は非常に高い所を移動しており、次第に薄れてもいくため、人体に直接的な影響を与える事はないという。
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