選挙高裁(TSE)内のシステムに対するハッキング攻撃に関する連邦警察による捜査情報を入手し、恒例ライブで漏らしたことに関する連警での証言を、ボルソナロ大統領は1月28日に拒否した。最高裁から命令されたもので、波紋を呼んでいる。1月29日付現地紙が報じている。
連警での証言は最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が1月27日に命じたものだが、ボルソナロ氏は国家総弁護庁(AGU)を通して最高裁に抗告し、「不在の権利」を行使する権利があると主張した。
ボルソナロ氏はその理由の中で、政治家を強制連行して供述を行わせることはできないはずと主張。強制連行して調書を取るやり方は、ラヴァ・ジャット作戦の捜査で多用され、ルーラ元大統領も2016年に強制連行され、労働者党が大反論したことがあった。
また、ボルソナロ氏は、証言のあり方も選択できるはずと主張したが、ボルソナロ氏自身が昨年、出頭する意向を表明していた。
極秘情報の漏洩疑惑は昨年8月にモラエス判事が捜査開始を命じたもので、モラエス氏は、ボルソナロ氏が使用していたリンクの削除と捜査を担当していた連警警部の更迭を命じている。
連邦警察は1月28日も、「大統領が直接関与して情報を入手していた可能性が非常に高い」との見解を示している。連警は、ボルソナロ氏と共にライブに参加した大統領補佐官のマウロ・セーザル・バルボザ・シド中佐とフィリペ・バロス下議(社会自由党・PSL)も、漏洩疑惑に関与していた可能性があることを認めている。
モラエス判事は「不在権」による出頭拒否を正当なものと認めておらず、新たな証言期日を定めることが確実視されている。