ブラジルの証券市場に外国人投資家が戻ってきたらしく、サンパウロ証券市場(B3)には1月26日までに248・47億レアルの資本が流入と1月31日付現地紙、サイトが報じた。
外資は昨年11月、裁判所が命じた賠償金の支払いなど(プレカトリオ)に関する憲法補足法案(PEC)を通すため、歳出上限法をないがしろにしかねない動きが生じた際、これまでにないレベルに減少。当時は「外国投資家らがブラジルから逃避」と報じられた。
だが、1月は26日までで、12月の145・47億レアルを大幅に上回り、2021年の投資総額の35・1%相当の248・47億レアルが流入。この金額は、昨年1月の235・56億レアルも上回っている。
今年は大統領選や経済基本金利(Selic)の2桁への引き上げ、公的財政の調整不良、世界的な金融引き締めなどの不安要因があるのに、外資が昨年を上回る規模で戻ってきた事になる。
一部の専門家は、B3の価格が他の新興諸国よりも高い事、年頭の流動性、市場価値の高い企業発掘などが外資の流入を招いたと見ている。これらの動きは、ウォール街が国際市場でのリスク回避に苦しんでいる中でもB3が肯定的な動きを維持している事を正当化すると見られている。
また、ドルで考える癖のある投資家がブラジルを「安い」と見ている可能性がある。ドル化した場合のB3は、21年に8・21%の損失を被ったが、メキシコやダウ・ジョーンズなどの損失はより小さかった。専門家は、「今日の株式市場の価格が平均に近づくなら、中国に投資するより、ブラジルに投資する事で得られるものの方が多い」とも語っている。