米国政府がボルソナロ大統領に対し、今月半ばに予定しているロシア訪問を取り消すようにと促していることがわかった。目的はロシア政府のウクライナ侵攻の脅威に対し、ロシアのプーチン大統領を国際的に孤立させるためだ。1月31日付現地紙、サイトが報じている。
ロシアがウクライナとの国境付近に10万人規模の兵を派遣したことは軍事侵攻の準備と解釈され、国際的な批判を浴びている。米国は現在、北大西洋条約機構(NATO)と組んで撤退を求める構えでいるが、その余波がブラジルにも及んでいる。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は1月30日、ブラジルのカルロス・フランサ外相に電話をかけ、現在のような国際状況の中でロシアを訪問することへの懸念を伝えた。
伯国は今年から2年間、国連安全保障理事会に非常任理事国として加わっている。
これに対し、フランサ外相は「この訪露はどちらの国の側につくことを意味するものではない」とし、あくまでも、ブラジルとロシアの二国間での問題だと主張している。
ボルソナロ大統領も翌1月31日、「ロシアに対してウクライナ問題を持ち出したりはしない」と語り、「穏便な平和的解決を望んでいる」と語った。
米国政府は、今週ロシアを訪れているアルゼンチン政府に対しても同様の試みを行っている。
★2022年1月29日《ブラジル》OECD加盟審査を開始=ボルソナロ自信見せるも=税制改革と環境問題が課題
★2022年1月22日《ブラジル》ボルソナロ大統領の母死去=94歳、サンパウロ州レジストロの病院で
★2022年1月14日《ブラジル》米ヒューマンライツ「ボルソナロは民主主義の脅威」「選挙を疑い、司法を攻撃」とも=人種差別や警察の問題に至るまで