《ブラジル》対面式の生存証明廃止=年金受給者らに朗報!

オニクス・ロレンゾニ労働社会保障相(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)

 連邦政府が2日、年金受給者らが年に1度行っていた対面式の生存証明を廃止する省令に署名したと2、3日付現地紙、サイトが報じた。
 国立社会保障院(INSS)はこれまで、年金や恩給その他の恩恵を受けている人達に対し、年1度、生存証明を行う事を義務付けていた。
 だが、新型コロナの感染拡大などで、受給者が銀行に赴いたり、INSS職員が自宅に赴いての対面式の生存証明が困難になり、いつまでの生存証明は有効かなど、混乱も生じていた。
 このような状況下、統一医療保健システム(SUS)を通して行われる新型コロナワクチンの接種記録や、パスポートの発行・更新の記録などのデータを利用する事で、受給者が生存している事を自動的に証明する事が可能として、対面式の生存証明は不要とする省令が作成された。

 この省令は2日に大統領の署名を得て、正式に発効。連邦政府によると、この恩恵にあずかる人は3600万人で、その内500万人以上が80歳を超えているという。
 この省令は署名と共に発効となったが、INSSによると、各種のデータを反映させるまでの移行措置には今年一杯を要する見込みだ。このため、生存証明が提出されていないために起きた年金や恩給の支給停止措置は、12月31日まで停止される。
 INSSによると、パスポートの更新や、身分証明書の取得・更新、不動産や車の名義変更、選挙での投票行為などはみな、生存証明の代わりになる。また、これらの行為が一切なく、生存が確認できない場合は本人と連絡を取った上で、電子式の生存証明を行うよう求めるという。

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