ボルソナロ政権の閣僚11人が10月の選挙に出馬する意向であることを、大統領自身が3日に認めた。その中には同政権における重要閣僚の名前も含まれると見られており、その分、閣僚再編に苦慮しそうだと、3、4日付現地紙、サイトが報じている。
この話はボルソナロ大統領が3日、ロンドニア州で開催されたペルーのペドロ・カスティジョ大統領と会談の前に、取材陣に向けて語ったことだ。大統領はそこで、「23人の閣僚中、11人が抜けて、11人が入る」と語った。
大統領は出馬予定の閣僚の名前も訊かれたが、「連邦政府官報で知ることになる」として、それ以上は語らなかった。
今年の統一選の一次投票は10月2日のため、現職以外の職に出馬する場合は4月2日までに辞任しなければならない。ボルソナロ氏は「閣僚たちは3月31日に閣外に去る」という表現で、現職閣僚が3月いっぱいで役職を辞すため、後任をえらばなければならないことを示した。
ただ、名前こそは明かされなかったが、すでにメディアはどの閣僚が選挙に臨むかの予想を立てている。
かねてから確実視されているのが、インフラ相のタルシジオ・フレイタス氏だ。同氏に関しては、ボルソナロ氏が自身の自由党(PL)に入党させ、サンパウロ州知事選候補にすることを熱望している。
また、アミウトン・モウロン副大統領も、リオ州知事選か上院選を狙うために副大統領の座を降りることが有力視されている。官房長官も務めていたオニキス・ロレンゾーニ労働社会保障相は、リオ・グランデ・ド・スル州知事選に関心を示している。
その他、ダマレス・アウヴェス人権相やテレーザ・クリスチーナ農相が上院選を狙っており、ファビオ・ファリア通信相がリオ・グランデ・ド・ノルテ州知事選に興味を示しているとされている。
また、マルセロ・ケイロガ保健相やロジェリオ・マリーニョ地域開発相、ジョアン・ロマ市民相、アンデルソン・トーレス法相、ジウソン・マシャド観光相、マルコス・ポンテス科学技術相などに出馬の噂が出ている。
大統領は「後任候補には誰を考えているのか」との質問も受けており、「ロジェリオに関しては前向きに考えている」として、ロンドニア州選出上議のマルコス・ロジェリオ氏(民主党・DEM)の名前を挙げた。同氏は上院のコロナ禍の議会調査委員会(CPI)で、大統領を最も擁護した人物として知られている。
また、大統領が奨励したクロロキンなどを含むコロナウイルス用キット「Kit―Covid」の熱烈な支持者のルイス・カルロス・エインゼ上議(進歩党・PP)も、連邦政府から閣僚にと要請を受けているとブログで明かしている。
だが、エインゼ氏もリオ・グランデ・ド・スル州知事選への出馬を考えている。G1サイトは、大統領選の拠点固めの意味で知事選は重要だが、ボルソナロ氏は、オニキス氏のような大統領派を推すか、支持を受けているセントロン政党のPPのエインゼ氏を推すかで板挟みになるだろうと分析している。