トカンチンス州ミラセマ市で4日夜、犯罪者との銃撃戦で38歳の軍警が死亡する事件が起きたが、その直後の5日未明には、軍警を殺害したと見られる容疑者やその家族らが次々に殺害されたと5~7日付G1サイトなどが報じた。
死亡した軍警は、諜報部門で働いていたアナモン・ロドリゲス・デ・ソウザ軍曹で、5日に予定されていた作戦を助成するための地域犯罪調査を行うために第2ノヴォ・オリゾンテ・セクターに出向いた。だが作業の最中に犯罪者らに襲われ、銃撃戦となり被弾。仲間の軍警が病院に運んだが、助からなかった。
報復と見られる殺害行為が始まったのはその直後で、ソウザ軍曹を撃ったとみられているヴァルビアノ・マリニョ・ダ・シルヴァ容疑者(39)の自宅に軍警が押し寄せ、同容疑者に手錠をかけた上で至近距離から銃を連射して容疑者を殺害した。また、その後に警察署に連行された同容疑者の兄弟と父親は、警察署に踏み込んだ覆面の武装集団によって殺害された。
警察は、ヴァルビアノ容疑者は自宅の中で死亡したと発表した。だが、同容疑者の母親によると、同容疑者とその妹が家の外にいた時に警察が来て、同容疑者に手錠をかけた上、その頬を殴ると、妹に「家の中に入れ」と命令した後、至近距離から射殺したという。
応接間にいた彼の兄弟のエジソン氏は外の様子が気になって様子を見に行こうとした時にヴァルビアノ容疑者に向けた発砲が行われ、足に被弾したという。
ヴァルビアノ容疑者の妹や姪達は同容疑者が射殺される様子の一部始終を見たが、警察が発砲したとは知らない母親は、警察に電話して助けを求めたが、のらりくらりとかわされ、助けは来なかったと語っている。
また、警官はヴァルビアノ容疑者を射殺した後、応接間でテレビを見ていた同容疑者の父親のマノエル氏とエジソン氏を、調書を取るとの名目で署に連行。警察はヴァルビアノ容疑者に銃を提供したのはマノエル氏だったと見ていた。
だが、午前3時頃に調書を取るために連行されたはずのマノエル氏とエジソン氏は、午前7時頃に警察署に踏み込んだ15人ほどの覆面の武装集団から大量の凶弾を浴びせられて、あえなく死亡。
覆面の武装集団が警察署に踏み込んだ後、同市内では3人の死体も見つかっている。
夫のマノエル氏と息子のヴァルビアノ容疑者、その兄弟のエジソン氏を一夜で失ったマリア・ド・カルモ・パウラ氏(62)は、真相を明らかにし、家族の命を奪った犯人を罰するよう、検察に直訴。検察は、組織犯罪や警官による犯罪を捜査するグループに同件の捜査を命じたという。
最初の死者となったソウザ軍曹の遺体は、6日に荼毘に伏されたという。