《ブラジル》接種効果で入院者に変化=基礎疾患患者のリスク軽減=腎臓疾患ではリスク残るも

ワクチン接種で患者のプロフィールが変化したと報じる10日付G1サイトの記事の一部

 新型コロナのワクチン使用許可が出てから390日目の10日、接種進展で入院者や死者のプロフィールが変化し、ハイリスクとされていた基礎疾患患者の入院、死亡例が減ったと報じられた。
 10、11日付現地紙、サイトが報じたのはサンパウロ州のサンジョゼ・ド・リオ・プレット医学大学(Femarp)の調査研究で、ワクチン接種進展で、新型コロナに感染すると重症化し易かった基礎疾患患者の入院、死亡例が減少したという。
 入院者や死者が減ったのは、心臓や肝臓、神経系疾患、糖尿病、免疫力低下などの問題がある人達だ。だが、未接種者の間では全疾患で、入院、死亡に至る割合が高いという。
 研究では、新型コロナ対応の主要病院である付属基礎病院で21年1月5日~9月12日に対応した2777人の病歴などを解析。
 この時期はマナウス起源のガンマ株が猛威を振るっていたが、1月17日に承認されたワクチンを2度受けた接種完了者は高齢者など34%のみだった。期間中の入院者2518人(91%)は未接種者で、平均年齢は51歳だった。

 研究では患者を未接種者と接種者に分け、年齢や性別、既往症の有無、回復か死亡かなどを解析。その結果、接種者で重症化したり死亡したりする割合が高かったのは60歳以上で腎臓疾患を持つ人に限られていたが、非接種者は全ての基礎疾患患者で重症化したり死亡したりする割合が高かったという。
 同研究の責任者で医師のマウリシオ・ラセルダ・ノゲイラ教授によると、「年の半ばまでは全年齢層の基礎疾患患者が重症化したり死亡したりしていた。だが、ワクチン接種が始まってからの重症化例や死亡例は高齢で腎臓疾患を持つ患者に限られている」という。
 今回の研究ではワクチンの種類は分けていないが、当時使われていたワクチンの大半はコロナバックで、アストラゼネカ社製の接種者はわずかだった。
 同大付属病院では現在も新型コロナに感染した入院者が出ているが、大半は予定されていた手術や事故で入院して感染が確認されたか、腎不全などの合併症のある高齢者で、研究開始時のように重症急性呼吸器症候群で入院する人はほとんどいないという。

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