ブラジルの芸術史上、最も重要な出来事の一つとして今日も語られている「ブラジル現代芸術週間」開催から13日で100周年を迎える。これを記念して、サンパウロ市では複数の美術館で各種の記念イベントが開催される。11日付現地紙などが報じている。
ブラジル現代芸術週間は1922年2月13日から17日にかけて、サンパウロ市の市立劇場で開催された。これは、20世紀初頭から第一次世界大戦の頃に欧州から伝わり、当時最先端の芸術表現だった印象主義、シュルレアリズム(超現実主義)、キュビズム、ダダイズムなどに強く感化されたブラジルの芸術家たちが起こした文化運動の総決算といえるもので、ワシントン・ルイス聖州知事(当時、後に大統領も経験)の助力によって開催された。
ここからは、アニタ・マウファッチやタルシラ・ド・アマラル、エミリアーノ・ディ・カヴァルカンチといった画家や、詩人のマリオ・デ・アンドラーデなど、ブラジルの芸術、文学史を彩る有名な人物が輩出された。
国外の芸術運動に刺激を受けたブラジルならではの文化運動は、その後の映画でのシネマ・ノヴォや音楽でのトロピカリズモにも精神的な影響を与えている。
サンパウロ市ではこの100周年を記念して、各地でイベントが開催される。当時の会場となった市立劇場では、13日に「芸術週間とは何だったのか」をテーマにした討論会を行い、サンパウロ美術館(MASP)では、「ブラジル芸術史」と銘打った展覧会を行う。
このほかにも、サンパウロ映像音声博物館(MIS)やピナコテカ美術館、ブラジル銀行文化センター、イタウ文化センター、ラテンアメリカ記念館といった、サンパウロ市内の展覧会会場として名高い施設で一斉に、現代芸術週間にゆかりのある芸術家たちの展覧会を開催する。
詳細は各会場の公式サイトまで。
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