2019年にスペインでコカイン密輸容疑で逮捕された、大統領機(予備機)を操縦していた空軍パイロットが15日、ブラジルの軍裁判所で14年6カ月の実刑判決を受けた。15日付現地サイトが報じている。
空軍軍曹のマノエル・シウヴァ・ロドリゲス被告(37)は2019年6月、ボルソナロ大統領が日本で開催されていたG20首脳会議に向かう際、予備機で帯同していた。
だが、スペインのセヴィージャに立ち寄った際、同容疑者が操縦していた機体から37キロのコカインが見つかり、逮捕された。
同被告は、「国の内外を行き来する職務を利用して麻薬の密輸を行った」ことを認め、2019年にスペインで8年の実刑判決を受けたが、当局との合意が成立し、2020年2月に6年の実刑と200万ユーロの罰金で刑が確定した。同被告は現在もスペインの刑務所で服役中だ。
15日にブラジリアの軍裁判所で行われた裁判は、19年にロドリゲス被告が逮捕された件に関するものだった。この日の裁判は、空軍関係者4人とフレデリコ・マギノ・デ・メロ・ヴェラス連邦裁判事からなる司法常設評議会によって行われた。ロドリゲス被告はスペインの刑務所からリモートで被告喚問に応じたが、判決に対する上告の意志などは表明していない。
ロドリゲス被告はこの裁判で、14年6カ月の実刑と最低給与の30分の1相当額の1400日間分の罰金の支払いを命じられた。
ロドリゲス容疑者の事件はその後も拡大発展している。連警は2021年2月に、軍用機を使った国際麻薬犯罪の捜査「キンタ・コルーナ作戦」を開始。これまでに5回の捜査が行われている。21年3月には、ロドリゲス被告の妻と義兄弟も国際麻薬密輸犯罪に関与していたとして逮捕されている。
また、同作戦で逮捕され、一連の事件に関わったパイロットをリクルートしていたとされる空軍兵士のジョルジェ・ルイス・クルス・ダ・シウヴァ容疑者が、連邦直轄区のパコ・ブリット副知事の職員だったことなどが話題となっている。