リオ州山間部のペトロポリス市で15日、わずか6時間で月間平均降水量を超える雨が降り、洪水や土砂崩れなどによる死者が80人以上出ていると15、16日付現地サイトが報じた。
15日夜の時点の死者は18人だったが、16日午後8時現在は80人に増加。行方不明者はまだ特定できておらず、死者はさらに増える見込みだ。
A gravidade da crise climática em dois posts:
Hoje, em Petrópolis (RJ), choveu em apenas 6 horas mais do que o esperado para o mês inteiro.
(Segue) pic.twitter.com/BzcMTlDD91
— André Trigueiro (@andretrig) February 15, 2022
ペトロポリス市が豪雨に見舞われたのは15日午後で、最も激しかった午後5時15分には1時間あたり125・8ミリを記録。午後9時10分までの6時間の雨は月間平均降水量の238ミリを超え、259・8ミリに及んだ。このため、市防災局は市内6カ所にあるサイレンを使い、警戒を呼びかけた。
豪雨に伴う防災局への通報は16日朝までに176件、土砂崩れは148カ所とされ、洪水、浸水も各地で起きた。土砂崩れが頻発したのはセントロ、キタンジーニャ、カシャンブー、アルト・ダ・セーラ、カステラネの各地区だ。
市中央部を流れる川が急速に増水、氾濫したため、多くの人や車は退避できず、人を乗せたまま流される車も相次いだ。
標高が高い地区から下る濁流は土砂崩れに伴う土砂や樹木も巻き込んでおり、テレビなどでは、路上停車していた車や車ほどもある岩、樹木が坂道を流されていく動画なども流れた。浸水被害が出た家屋や商店も多く、皇室博物館などの史跡も被害を受けた。
土砂陥落を防ぐために山肌に設けられた柵が壊れ、岩や土砂に直撃されたりした事で倒壊、損壊した家屋は80軒以上とされている。市内各所は泥や岩に覆われ、学校などに設けられた避難所へのアクセスや捜索作業さえ困難な状態だ。
クラウジオ・カストロ・リオ州知事は16日朝、現地を視察し、「まるで戦場」と表現。18日には、大統領の命を受けたロジェリオ・マリーニョ地域開発相が現地を視察する予定である事も明らかにした。
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