《リオ州》ペトロポリス豪雨の死者と不明者200人超す=再びまとまった雨の予想も

ペトロポリスで起きた土砂崩れの現場(Tania Rego/Agencia Brasil)

 【既報関連】15日午後、リオ州ペトロポリスを襲った豪雨は、史上最大の自然災害といわれた2011年の豪雨を上回る被害を同市に与えている。
 16~17日付現地サイトによると、今回の死者は16日22時現在で94人、17日18時現在では110人に増えた。
 不明者は16日19時半現在の35人が、17日朝は135人に急増。その後の死者数増などで18時現在では116人に減った。
 今回の雨は11年1月に山間部を襲った豪雨以上で、被害もより甚大だ。11年の死者は6市918人で、ペトロポリスでは、ノヴォ・フリブルゴ426人、テレゾポリス382人に次ぐ71人が亡くなった。同市では2013年にも水害で33人の命が奪われている。
 被害が特に深刻なのはオフィシーナの丘周辺で、17日朝までに回収された遺体の大半は同地区で見つかった。17日早朝までの死者の中には未成年者が13人おり、内8人は同地区の学校の生徒も含む子供だった。16日に救出された生存者23人には、校舎損壊で濁流に襲われた生徒達も含まれている。

 16日は、120キロ離れたミナス州から駆けつけた女性が鍬や手で土を掻き、娘達を探す様子(娘と孫は遺体で発見)や、川に落ちたバス2台の乗客が窓から逃げようとしたが、バスごと流される様子などを映した動画が全国に流れた。
 2017年に行われた調査によると、同市面積の約20%は土砂崩れや洪水などが起こり得る危険/非常に危険な地域に設定されており、そこに2万7704軒もの家が建っている。その内の7177軒は転居が必要とされていた。

 ただ、オフィシーナの丘は当時、危険地域とされておらず、サイレンも未設置のまま、家屋が急増。被害を大きくした。17~18日は約100ミリの強い雨が予想され、被害が拡大する可能性が高まっている。
 専門家は想定外の雨の影響を認めつつ、11年豪雨後の対策が十分なら被害は小さくて済んだはずと指摘。リオ州は昨年、山間部の防災・復興費に1億3500万レアルを計上したが、28万レアルしか支出していない。
 同市が宣言した非常事態は連邦政府も承認した。ボルソナロ大統領は16日、ロジェリオ・マリーニョ地域開発相とパウロ・ゲデス経済相に必要な支援を検討するよう命じると共に、18日に帰国し、現地を訪問する意向を表明している。

★2022年2月17日《リオ州》豪雨で80人以上が死亡=ペトロポリスで洪水や土砂崩れ=6時間で月間平均超す雨量
★2022年2月1日《サンパウロ州》週末の豪雨で被害続出=土砂崩れや洪水で21人死亡
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