《リオ豪雨》死者・行方不明者が347人に=大統領がペトロポリス視察=上院も委員会設置して派遣

倒壊家屋の跡での捜索作業(17日、Tania Rego/Agencia Brasil)

 【既報関連】リオ州ペトロポリスでは15日午後、2月の平均月間降水量を超える豪雨が短時間に降り、死者・行方不明者を合わせて347人以上という非常事態に見舞われた。17日も新たな土砂崩れの後、午後には1時間に60ミリ強の強い雨となった。雨は18日朝まで続くなど、不安定な状態が続く中、18日にボルソナロ大統領らが現地を訪問と17~18日付伯字紙、サイトが報じた。
 大統領は予告通り、ハンガリーから帰国した足で、ロジェリオ・マリーニョ地域開発相らを伴い現地入り。視察後はクラウジオ・カストロ同州知事やルーベンス・ボンテンポ市長と会談を行い、同市を含む水害被災地に10億レアルの支援を行うと発表した。
 18日のペトロポリスは前日の土砂崩れや雨で緊張が高まっており、法医学研究所前では家族や友人の消息を尋ねる人が列をなす状態が続いている。
 新たな土砂崩れは5月24日地区で起き、家屋が1軒巻き込まれたが、死傷者は出ていない。その後に雨が降り始め、再び洪水や浸水が起き、通行不能となる道路や対応を中断する保健所も出た。キタンジーニャなどの危険地域には退避勧告が出て学校などに逃げる人が相次いだ。

オフィシーナの丘の土砂崩れの一部(Tania Rego/Agencia Brasil)

 同市の豪雨被害が甚大である事を見た上院は17日、現地の視察と支援のための臨時委員会を設置し、現地に派遣する事を決めた。
 他方、地域開発省は17日、同市に233万レアルを送る事を承認し、同日付号外官報に掲載。167万レアルは基礎食料品のセットや清掃用品、個人衛生用品、マットレス、毛布、シーツなどの購入費、65万5700レアルは市街地や水路などの清掃用だ。清掃費は作業員やトラック、掘削機などの採用、調達に用いられる。
 既に現地入りしていた地域開発省市民防衛保護局のアレッシャンドレ・ルーカス氏は、1日も早く日常を取り戻すべく、防災局や検察、消防、軍兵士らが活動中と語った。
 同市への人的、資金的支援はリオ州や他州からも届いており、納税期限延長や勤続期間保障基金(FGTS)引出し許可などの救済措置も発表されている。
 同市の死者は17日22時現在で118人だったが、18日午後5時現在では129人に増えた。不明者は218人になっている。

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