ペレと共にブラジルのサッカーW杯の世界一に貢献した名ゴールキーパー、ジウマールことジウマール・ドス・サントス・ネーヴェスが軍事政権時代に軍部の内通者だったことが死後明らかにされた。18日付現地紙が報じている。
これはサンパウロ州真相究明委員会のリーダーをつとめていた元サンパウロ州議のアドリアーノ・ジオゴ氏が明らかにしたもので、ジャーナリストのジュッカ・キフリ氏が報じた。
それによるとジオゴ氏はサンパウロ総合大学(USP)の学生だった1973年に政治運動で逮捕された際、サンパウロ市南部にあった陸軍秘密警察(DOI—Codi)の中で90日間の拘留にあった際、政治犯が拷問などを受けている中、ジウマールが刑務所の中を歩いているのを何度か見かけたという。そこでは極秘裏に政治犯への拷問や殺害が行われていた。
「その時、看守は私にジウマールのことを教えてくれたんだが、彼によるとジウマールは軍部にとっての良き友人で、情報提供者だったということだった」と語っている。ジオゴ氏は、父親が大のジウマール・ファンであったことから幼い頃から顔もよく知っていたという。
またジオゴ氏によると、ジウマールは現役引退後に2つの自動車販売店を経営していたという。彼はそ こで、逮捕者の車を警察が使えるように書類を書き換えるなどの便宜を図り、軍や警察との仲を深めていたようだという。
ジウマール本人は2013年に脳血管障害(AVC)のため83歳で亡くなっている。彼の肉親では今年の2月に、息子のマルセロ・イザール・ネーヴェス氏が近隣住民に対しユダヤ人差別的な言動を行ったことで訴えられ、有罪判決を受けている。
ジウマールはコリンチャンスやサントスのキーパーとして50年代から60年代にかけて活躍。代表キーパーとして1958、62年のW杯大会にレギュラーで出場し2度の世界一に貢献している。当時のスター選手だったペレとはサントスのチームメイトでもあり、1962年と63年には共にクラブ世界一にも輝いている。
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