西森ルイス弘志連邦下院議員が報告官となって下院議会に提出した農薬の認可期間短縮や緩和を求める『農薬規制緩和法案(Projeto de Lei N 6299 de 2002)』法案が、11月9日に賛成301票、反対150票で承認された。今後、上院で審議が行われる。
西森下議が提出した法案は、農務省に検査や分析業務・監視などの権限を集中させることで、新農薬の審査期間を最長2年、既存農薬と同じ成分を使った後発品なら最長1年、期間内で登録が終了しなかった場合のみ一時的な登録と使用を認めるもの。
ニッポン・ジャー紙の取材に対して、西森下議は「規制緩和によって効果的な生産が可能になり、より安全で安価な食品を国民の食卓に届ける事ができるようになる。ブラジル国内での食の品質向上にとても重要」と力説した。
西森下議は現行の農薬規制法について「時代遅れになっており、近代化の必要がある。農薬の認可は豪州やカナダなどでは6カ月で認可がおりる」と説明。現行法は1989年に制定以来30年も見直しがされず、新農薬の認可に平均3年から8年を要していた。
一般的に、新開発された農薬の方が安全で効率的になっているが、今までは危険性の高い古い農薬しか使えなかった。西森下議は「この緩和法案は、審査期間の短縮のほかにも修正する。生産者にとっても、最終消費者にとっても最良のもののはず」と力強く語った。
現行法では危険有害性評価のみを行っており、使用条件は考慮されていない。そのため実際に使用した際の人や環境への影響の評価がされておらず、不十分な点もある。規制緩和法案では農薬が使用された際にさらされるリスクも評価基準に追加。使用者や消費者、環境が受けるリスクを含めて評価する。。
農牧畜系議員前線(FPA)のメンバーは、「近代的な製品の使用に反対する人々は、新しいものへの品質や合法性さえ疑う傾向がある」と指摘。「同緩和法案は改良と近代化に他ならず、ブラジルを世界最大級の農業・牧畜国と並ばせ、さらなる科学的な厳密さと手続き上の官僚主義を無くすことに繋がる」と説明する。
西森下議義も「害虫に対抗するためには、より効果的な製品が必要だが、官僚主義により縛られて今まで使用できなかった。こういった官僚主義的な部分がブラジルの近代化を妨げており、農薬に関して他国より遅れている要因だ」と訴えた。