【既報関連】15日にリオ州山間部のペトロポリスを襲った豪雨から丸1週間となった21日、同市での死者は180人となり、同市で起きた自然災害による死者としては過去最悪となった。
21日付現地紙などによると、同市では1966年~2017年に552人が自然災害で亡くなっている。これまでの最高は1988年の171人だったが、この数は20日現在の死者数と同じだ。
この時点での不明者は126人、家を失ったりして避難所の学校に身を寄せている人は817人に減ったが、死者数は21日も増え続けており、今回の豪雨は同市にとって最悪の惨事となった。
オフィシーナの丘などの家屋倒壊現場ではまだ、家族や消防などによる捜索作業が続いており、サンパウロ州やミナス・ジェライス州など、8州から送られた消防士や警察犬なども加わっている。
また、濁流に囲まれて川に引きずり込まれたバスから脱出を試みる人々の様子を写したビデオで確認された青年の家族やボランティア達が、川に流された青年や乗客を捜索する作業も続いている。
捜索作業は雨や強風などで一時的に中断を余儀なくされたりする事はあっても継続して行われており、21日18時現在の死者は180人、不明者は104人となった。
市警は身元確認のためのDNAを集める作業なども行っており、21日13時現在で回収済みの176体中、143人の身元が確認されている。
家族を探す人々の中には州内外から駆けつけ、眠れない夜を過ごしている人もいる。また、遺体の多くは、胎児をかばうかのように腹部に手を当てた妊婦や、3人が抱き合っていた家族など、逃げる間もなく土砂に巻き込まれた様子が伺われるものが多いという。
20日付現地紙などによると、全国で見ると、洪水や土砂崩れなどの水害が起こる可能性が高いとされている966市の内、警報システムなどの設備ありは337市(34・9%)のみ。ペトロポリスはその中に入っていたものの、サイレンがあるのは5地区中二つのみで、オフィシーナの丘周辺はサイレンのない地区だったなど、対策に不備があった事が指摘されている。