■訃報=日本文学翻訳家=紫門明子(しもん・めいこ)

紫門明子さん(UFRGSサイト掲載)
紫門明子さん(UFRGSサイト掲載)

 日本文学作品の翻訳や日系文学の翻訳サークル「アイリス」の代表も務めた、紫門明子(京都、本名=下垣明子あきこ)さんが持病の心臓病による合併症のため1月15日にサンパウロ市南部の病院で亡くなった。行年81歳。
 ブラジル国内の日本文学作品は1980年ごろまで、英語やフランス語版の再翻訳出版が主流だった。そうした中で94年から日本現代文学の短編作品を日本語から直接に翻訳し「O canto da terra: antologia do conto contemporâneo japonês」や、95年に林芙美子の「放浪記」、川端康成や森鴎外などの翻訳も手がけた。
 紫門さんは1940年京都生まれ。53年に渡伯。渡伯当初はアマゾンへ入植し、68年からポルトアレグレ州に移り住んだ。
 その後ポルトアレグレ州連邦大学(UFRGS)で語学を学び、サンパウロ総合大学(USP)で文化や文学で修士号を得た。1986年から29年間、ポルトガル語/日本語翻訳学士課程の教鞭をとった。

 

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