《ウクライナ》ブラジル人サッカー選手が帰国支援求める=家族とSNSに動画公開して

帰国援助を訴えた選手と家族たち(Twitter)

 ロシアの軍事侵攻を受け、24日、ウクライナのクラブ所属のブラジル人サッカー選手とその家族が、ブラジル政府に帰国のための援助を求めるビデオを公開した。24日付現地サイトが報じている。
 ビデオを公開したのは、ウクライナの強豪サッカーチーム、シャフタール・ドネツクとディナモ・キエフに在籍するサッカー選手とその妻や子供たちだ。彼らはロシア軍のウクライナへの攻撃が始まった直後、首都キエフのホテルに集まり、ブラジルへの帰国支援をブラジル政府に訴えた。
 シャフタールの主力選手マルロスはこの中で、「今、我々は極寒の中、燃料さえない状態でホテルに集まったが、国境封鎖でウクライナから出られない状況にある。ブラジル政府に我々が出国できるよう援助することを求めたい」と訴えた。
 さらに選手の妻の代表が、「私たちは何もできず、どうして良いかもわからず、取り残された気分だ。子供たちのためにも出国を望みたい。今のままでは食料を買えるかさえわからない」と窮状を訴えた。

 ウクライナではサッカー選手がウクライナ危機について語ることを禁じられていたが、ロシア軍の侵攻開始、そして、それに伴うウクライナでの戒厳令発令で助けを求める形となった。
 シャフタール・ドネツクは元々、ロシアのプーチン大統領が独立を承認したドネツク州のチームだ。だが同州が2014年にプーチン大統領の後ろ盾で独立を宣言した際に、その拠点をキエフに移していた。
 シャフタール、ディナモの両チームは共に、90年代以降、ブラジル選手と積極的に契約を行っており、チームのレギュラー選手の大半を伯人選手で固めていた。中には、マルロスやジュニオル・モラエス(シャフタール)のように、帰化してウクライナ代表になる選手も少なくなく、ブラジルとウクライナの選手の交流は盛んだった。

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