ブラジル初の新型コロナ感染者確認以来、25日で730日。ワクチン接種の進展や最近の感染状況から、保健省が新型コロナを世界的大流行の「パンデミック」から、一定の地域や季節に繰り返し発生する「エンデミック」に認定を切り替える事を検討中と18、22~24日付現地サイトが報じた。
保健省がこれを検討している事は、18日や22日のケイロガ保健相の発言から明らかになった。
ブラジルの感染者は24日現在で2857万8647人(総人口の13・6%)に上る。無症状者や検査を受けていない人、またはセルフテストで陽性になったが未報告の人も入れればもっと多い。
これに、総人口の8割弱が2度の接種またはヤンセン社製ワクチンを1回うった接種完了者で、補強接種を受けた人も3割超である事を加味すれば、免疫(抗体)を持つ人は約8割となり、集団免疫状態に近い。これがパンデミックからエンデミックに変更しようという根拠の一つだ。
ケイロガ保健相の発言は、オミクロン株による感染急拡大を見た国はピーク後の減少も早い事や、欧米諸国中心に規制緩和の動きが高まっている事も反映している。
ブラジルでのオミクロン株による感染がピークを過ぎた事は、新規感染者の7日間平均が1日の18万6985人以降低下し、24日は9万1545人まで減少している事、入院者や死者も減少し始め、病床使用率が8割を超える連邦自治体は二つに減った事などでも確認できる。
また、世界第2位の64万7390人(人口の0・3%強)が死亡したとはいえ、接種進展により、オミクロン株による死者はガンマ株の時よりも大幅に減った。11日の951人を挟む16日間800人超えが続いていた死者の7日間平均は、24日には784人まで下がっている。
ブラジルでもエピデミックに切り替える可能性がある事は、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)のジュリオ・クロダ氏や医師のゴンザロ・ヴェシナ氏なども口にしている。だが同時に、欧州で規制緩和を行っている国は接種完了者が8割超である事などを挙げ、当面は気を緩めてはならないとも警告。それでも、エンデミックへの変更は3月以降、早ければ上半期にあり得ると見ている。