ボルソナロ大統領が中立を主張する一方、大統領選に出馬予定の他の候補者はこぞって、反戦や反ロシアを訴える主張を展開している。2日付現地紙、サイトが報じている。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻は国際的な反発を呼び、世界各地で反戦を訴えるデモが行われているが、それはブラジルも例外ではない。2月28日にはリオ、1日にはサンパウロ市パウリスタ大通りで反戦デモが行われている。
そうした世論に応えるように、10月の大統領選に出馬予定の候補者たちが一斉に反戦、反ロシアの主張を展開している。
ネット上でロシアの侵攻を批判し、ウクライナの領土の尊重、さらに紛争の平和的解決を求めているのは、セルジオ・モロ氏(ポデモス)、ジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)、シモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)、フェリペ・ダヴィラ氏(ノーヴォ)といった候補者たちだ。
彼らは俗に「第三勢力」と呼ばれるグループで、国民の反ロシア、ウクライナ支持の心情を得票につなげたいところでもある。
さらに現状で3位、もしくは4位の支持率のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)は2月24日、「この侵攻の余波は間違いなくブラジルにも表れる」として、市場の混乱を予想。「国際秩序の不均衡は、現状のような弱い政権下ではなおさらだ」とボルソナロ政権を批判している。
一方、大統領選での支持率1位のルーラ元大統領も、ロシアの軍事侵攻が起こった直後にプーチン大統領を批判。さらに、所属の労働者党(PT)も「党の意向」として戦争反対を訴えている。
ルーラ氏は2月28日から訪問中のメキシコでも、1日に行われた取材で「中南米が一丸となって戦争に反対しなければいけない」と主張している。ルーラ氏は2日、同じ左派の同国のオブラドール大統領とも会談を行っている。
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