《ブラジル》死者65万人到達も減少顕著に=カーニバルで一時増の可能性=規制緩和に向けた動きも再開

減少カーブを描く感染者の日計グラフ(保健省公式サイト)

 オミクロン株による新型コロナの第3波で、1~2月は感染急拡大とそれに伴う使者の増加を見たブラジル。2日は感染者の7日間平均が5万人台、死者の平均は500人台に落ちたが、死者総計は65万人に達した。
 ブラジルでの第3波の特徴は1~2月にかけての感染者激増で、1月313万9223人、2月336万876人と、2カ月連続で過去最高を更新。21年の月間最多は3月の219万7488人だから約1・5倍で、2カ月だけで昨年の感染者の44・5%に達した。
だが、ワクチン接種の進展で重症者や死者が減少した事で、月間の死者は1月8082人、2月2万2195人で、昨年3月の6万6573人や4月の8万2266人を大幅に下回った。

減少カーブを描く死者の日計グラフ(保健省公式サイト)

 また、昨年の第2波ではピーク後の5月と6月に5万人台の死者が出たが、現状通りなら、第3波の死者は感染者同様、長引かずに減少しそうだ。
 感染者の7日間平均は2月3日の18万9526人以降、順調に減り、2日には1月11日以来となる6万人台割れも起きた。また、死者の平均も2月11日の951人以降、減り続けており、2月1日に始まった600人超の状態を脱出。63万人から64万人までは13日間だったが、65万人到達は15日間でペースが鈍り始めた。

 ただ、カーニバルの任意休暇などの影響で、2月26日以降の集計は連日、2~4州のデータが更新されない状況が続いている事にカーニバルに伴う人出や接触増が重なり、3日以降は、感染者や死者が一時的に増える可能性がある。
 それでも専門家は、マナウス起源のガンマ株や南アフリカ起源のオミクロン株が引き起こした第2波や第3波ほどの波にはならないと見ている。
 また、ワクチン接種進展なども踏まえて出てきた、世界的な大流行を意味する「パンデミック」から、一定の地域に一定の罹患率または一定の季節に繰り返し発生する流行の意味の「エンデミック」に切り替えようとする動きが進み、マスク着用義務などを見直す動きも出ている。

リオのカーニバルは4月に延期したが、サンバ会場の改修工事が無事終わり、サンバチームにお披露目のあいさつをするリオ市長(Beth Santos/Prefeitura do Rio)

 一例はリオ市で、大人のワクチン接種完了者が9割を超え、補強接種も50%以上が受けている事や入院者数の減少などから、7日の会議で閉鎖空間でのマスクも不要となる可能性がある。同市では昨年から既に、開放空間でのマスク着用義務を外しており、更に規制が緩和される。 
 ただし、専門家は、全国レベルでの感染者や死者の7日間平均は依然として高いとして、閉鎖空間での3密回避などは継続する事を求めている。

 

 

 

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