サンパウロ市と大サンパウロ市圏を走るCPTM(都電)のプラットフォームと電車の間の溝に乗客が落ちる事故が、ここ2年間は半分以下に減っていることが明らかになった。4日付現地紙が報じている。
19世紀から続いていたサンパウロ鉄道を前身に持つCPTMは、1992年から現在の体制で運営を行っているが、その当時から電車の車体とプラットフォームの間の距離(隙間)が広いことが問題となっていた。
同社がCPTMの全線でとっている統計によると、2010年から19年までの10年間は、車体とプラットフォームの間の隙間に乗客が落ちる事故が700件以上起きていた。この10年間の統計では、1千件を超えた年も4年間あった。
その理由は電車とプラットフォームの間の隙間の幅が広いためで、91駅で調べた結果、40センチ以上ある駅が複数確認された。理想とされるのは10センチだから、実に4倍以上だった。足の裏より遥かに広い隙間が広がっているのはかなり危険だが、放置されてきた。
それが、2017年の1033件以降、18、19年は782件に、2020年には368件に激減。これに関しては、「新型コロナのパンデミックが発生した年だったから」との見方もあるが、2021年の事故件数は363件で、前年よりもむしろ減っていた。
CPTMでは、事故が多い駅中心にプラットフォームの縁にゴム製の張り出しを設置してきたことが功を奏したと見ている。
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