7日、ボルソナロ大統領がペトロブラスの燃料の価格設定のあり方(価格政策)を批判したことで、同公社株が7%以上暴落した。7、8日付伯字紙、サイトが報じている。
ボルソナロ大統領によるペトロブラス批判は7日午前、ロライマ州のラジオ局「ラジオ・フォーリャ」のインタビューで飛び出した。大統領は「午後から話し合いを持つ。ペトロブラスが勝手に燃料に高い値段をつけないようにな」と語った。
この発言の裏には、昨年から続く燃料価格の高騰がある。ブラジルは2021年、2015年以来となる年間インフレ率10%超えを記録したが、燃料の値上がりはその最大要因の一つと目されていた。
国際石油価格を左右する重要なブレンド原油が1バレル100ドルに達し、昨年の話題になっていたが、その後も上昇は止まっていない。さらに輪をかけたのが2月24日にはじまったウクライナ侵攻で、139ドルまで上昇。これにより、以前に中銀が予想していた「インフレのピークは4〜5月」という予想が絶望的なものとなっている。
大統領は同ラジオで、「いくら国際的な原油価格が上がっているからといって、それをそのまま反映すればいいわけではない。例えば50%もあげるわけにはいかないだろ。国民がそれに耐えられるわけがない」とまくし立てた。
大統領は、選挙年に恒例となっている減税を強く願っており、ペトロブラスが21年に1066億レアルの収益を上げたことから、同公社が儲けのために値上げを行っているのではないかと疑っている。
大統領選に出馬予定のルーラ元大統領やシロ・ゴメス氏などの候補が、ペトロブラスの価格設定方法の変更を公約に盛り込んでいることもボルソナロ氏を刺激している。
ボルソナロ氏はかねてから主張している「ウクライナ危機の今だからこそ、先住民地域での鉱資源開発を進めるべきだ」との主張をここでも繰り返した。
だが、「政府による公社や市場への介入」「環境破壊」などを意味するこれらの発言は市場で強い反発を受けた。この日、ペトロブラスの株価(PETR3、PETR4)は暴落を記録。株主が投票権を持つPETR3で7・65%、優先株のPETR4で7・10%下がった。
ペトロブラスは既に、ウクライナ危機によって生じた不安定な状況が落ち着くまでは値上げを差し控える意向を表明していた。だが連邦政府は8日、価格凍結も含む形でペトロブラスによる燃料値上げを一時的に抑える方策を求め、会議を行っている。会議には、パウロ・ゲデス経済相やシロ・ノゲイラ官房長官、ベント・アルブケルケ鉱山動力相、ロベルト・カンポス・ネット中銀総裁などが参加している。