《リオ市》閉鎖空間のマスク義務解除=接種証明提示義務も免除へ=専門家からは時期尚早との声も

リオ市がマスク着用義務を全面解除と報じる7日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 リオ市のエドゥアルド・パエス市長が7日にマスク着用義務を解除する市長令を出し、同日付官報に掲載したと7~8日付現地紙、サイトが報じた。
 同市では昨年10月から開放空間でのマスク着用義務が解除されており、今回の市長令でマスク着用義務が全面解除となった。市長令では工・商業施設、公共交通機関を含むサービスの場での着用義務も解除しており、同市はマスク着用義務を全面解除した初の州都となった。
 また、18歳以上の70%が補強接種を受けたら、レストランやバー、スポーツジム、スタジアム、体育館、コンサート会場、映画館、劇場、博物館や画廊その他の場所での接種証明提示義務も解除される。
 今回の市長令は同市の新型コロナ対策特別委員会の判断に沿ったものだが、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)の研究者らは、リオ市は他の地域からの人も足繁く通うから「時期尚早」との考えを示した。

町の中の様子(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 だが、市保健局のダニエル・ソランツ局長は、各感染者から感染する人の数(実効再生産数)が先週の0・5から0・3に下がった事、最近は新型コロナの感染確認検査での陽性率が下がり続け、現在は5%未満になった事、新型コロナの入院者が人口の1%未満になった事などを着用義務解除の理由とした。
 なお、ガン患者や臓器移植後などで免疫力が低い人や基礎疾患がある人、ワクチン接種未完了者や未接種者、風邪の症状のある人などはマスクの着用継続が勧められている。
 同局長は、保健所などでは感染検査その他の対応を継続するし、希望者がマスクを着用する事は禁じてはいないとした上で、接種未完了の子供は学校でのマスク着用を続けるよう勧めた。
ただし一部専門家は、同市ではカーニバル期間中に路上に出たブロッコやフェスタなどで感染者が再び増える可能性があると指摘し、今回のような判断は最低2週間かけて徐々に実行すべきと進言したが、ソランツ氏は現状から見て感染者の大幅増はないと見ている。

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