戦火のウクライナに赴き、「ウクライナ女性は尻軽」という問題発言を行ったアルトゥール・ド・ヴァル・サンパウロ州議が、所属していた市民政治団体「ブラジル自由運動(MBL)」からの脱会を余儀なくされた上、所属政党「ポデモス」も離党。サンパウロ州議も罷免に追い込まれそうな雲行きになっている。7、8日付伯字紙、サイトが報じている。
4日に漏れたウクライナ女性への侮辱発言は国内外で大きな反響を引き起こしたが、その余波が続いている。同氏は7日、フォーリャ紙の取材に対し、MBLを辞めることにしたことを明かした。
MBLは2016年にジウマ大統領罷免を訴え、罷免実現の原動力となった団体だ。だが今年に入ってからは、リーダーのキム・カタギリ下議のナチス擁護発言に今回の騒動が加わり、団体存続さえも危うくなっている。
また、サンパウロ州議会では94人の州議中26人が既に罷免を求める署名を行っている。ヴァル氏はこれまでも議会内での言動で問題を起こしてもいる。
さらに、所属政党のポデモスでも、大統領候補のセルジオ・モロ氏が4日に「最悪の発言。同じ演壇に立つのを拒否する」と発言した上、党としての姿勢も明らかにするよう求めたことで立場が危うくなっていた。ヴァル氏本人も国際女性デーの8日午後、離党届を出して、党が受諾したと発表した。
ヴァル氏は帰国と同時に恋人からも絶交を言い渡されており、軽率な発言で生じた苦い果実を刈り取っている。
★2022年3月8日《サンパウロ州議》ヴァル「ウクライナ女性は尻軽」発言=非難轟々で知事選断念
★2022年3月3日《ブラジル》お騒がせ州議員が戦火のウクライナに=「現状視察」主張も批判殺到
★失態露呈続くMBL=ウクライナ入り目論むメンバーも