《ブラジル》ボルソナロがプーチンを「最強の男」と称賛=福音派有力者と支持固め集会「国をあなた達が望む方向に」

8日の会合(Twitter)

 ボルソナロ大統領は8日、大統領官邸に福音派リーダーや政治家を集めた会を行った。その際、大統領は「私はこの国をあなた達が望むような方向に運営する」との問題発言や、ロシアのプーチン大統領を褒める言葉まで公言したことで波紋を呼んでいる。9日付現地紙が報じている。
 この会には24人の福音派牧師を先頭に約100人以上の福音派大臣や下議、上議たちが勢ぞろいした。
 下議の中には、下院の福音派議員連盟のソステネス・カヴァルカンチ下議(ウニオン)や、福音派議連会長で政党「共和者(RP)」党首のマルコス・ペレイラ下議の姿もあった。
 ペレイラ氏は先月23日、「党移籍期間という大事な時なのに、大統領はただ迷惑をかけるばかりだ」と批判していた。党移籍ギリギリのタイミングで自由党(PL)に入党したボルソナロ氏の行動により、福音派政党RPから大統領を追ってPLにかなりの党員が移籍したことに関しての苦情だ。
 この日は、86人もの福音派連邦議員が参加したという。会は和やかな雰囲気で行われ、参加者たちは大統領を褒めちぎっていた。とりわけ、「フォンテ・デ・ヴィーダ」教会のセーザル・アウグスト牧師が2018年の大統領選でのボルソナロ氏の刺傷事件について触れた際は、大統領とミシェレ夫人が涙する場面も見られた。
 ボルソナロ氏が初めての福音派の最高裁判事就任(アンドレ・メンドンサ)氏を実現させたことを、参加者たちは口々に褒め称え、コロナウイルスのパンデミックにおける隔離政策や教会閉鎖について地方政府を批判する発言が飛び出していた。

最後に演説を行ったボルソナロ氏は「私はこの国をあなた達が望むような方向に運営する。だが、それは非常に難しい。それでも全力を尽くしているつもりだ」と語った。
 さらにルーラ元大統領や労働者党(PT)の名前を出さずに「イデオロギーに満ちた悪党たちが私たちの自由を奪おうとしても、人生の自由が全てを上回るのだ」と力説した。
 ボルソナロ氏はさらにロシアのプーチン大統領に言及し、プーチン氏を「世界最強の男の一人」と称え、「地球は私たちの家。神は全てを超えるのだ」と発言した。この発言は、大統領自身がウクライナ危機に関して「中立の立場」とする中で行われたものだ。
 ボルソナロ氏はプーチン氏に関し、自身が欧州の首脳たちからアマゾンの森林破壊で痛烈な批判を受けていた際、アマゾンの主権に関して理解を示した数少ない首脳だったことで親近感を感じている。
 モーロ候補やルーラ候補が次々に福音派との集会を行い、それぞれに支持を固める動きをする中、それに対抗する意味で、ボルソナロ氏が福音派と今一度関係を深めようとしたのが今回の集会と言われる。
 政治調査団体ポデール・ダッタが1月に行った調査では、「大統領選の決選投票」のボルソナロ氏対ルーラ氏のシミュレーションで、ボルソナロ氏が圧倒的な基盤を持っている福音派の中でも47%対47%の引き分けだったことが報じられている。

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