ロシアとウクライナの対立状況に緩和傾向が生じたことで、1ドルが5レアルを割り込む事態が一時的に生じたと、9日付現地メディアが報じている。
これは9日にロシアのマリア・ザハロワ報道官が「ロシアの目的に、ウクライナのゼレンスキー政権を打倒する意向はない」と語った事に端を発していると言われる。これにより、危機への不安感が少し緩和され、リスク投資に好機との期待感が生じたことで、新興国の17通貨で一時的にドル安の現象が起こった。
レアルは12時40分現在で、8日の終値との比較で1・08%落ち込み、1ドルが4・985レアルまで落ちた。その後、5・016レアル付近まで回復した。サンパウロ証券取引指数(Ibovespa)は1・74%上がって11万3150ポイントとなった。
一方、企業の株価ではボラティリティへの不安感が減り、コモディティ関連の株価の暴落が見られた。鉄鉱大手ヴァーレは、中国の鉱山産業での下落が理由となり、6・28%下がった。ペトロブラスも0・12%下がっている。
この日のドルの終値は5・012レアルだった。
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